4 うろを満たすは side B

そこまで深く考えてるの?と問われたら、意識的に考えてるわけではないんだけど、背景の大枠イメージとそこからラインをたどる順当な思考は踏まえてるよ、になる(記憶力と抽象処理能力高めの論理的思考特化型専用手順)


1 つまりそろばんは弾いた(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558286095024)より

 ・理性は万物の主人であり、女王であるDomina omnium et regina ratio est.

  ドミナ・オムニウム・エト・レーギーナ・

  ラティオー・エスト。

  ローマの政治家、キケロの言葉。

  文法自体はめちゃくちゃ平易(英語のbe動詞の

  基本文This is a pen.レベル)なのだが、

  ここでDomina(Dominus=主人の女性形)と

  regina(rex=王の女性形)が使用されることで、

  ratio(理性)が女性名詞である事がわかると同時に、

  名詞に性があることの厄介さが垣間見える。

  あと、be動詞相当のestが現在の三人称単数だから

  主語がratioってわかるところは語順自由故の厄介。

  より語順に忠実に訳すなら「万物の主人にして

  女王たるは理性なり」とでもいったところか。


 ・ロボトミー手術

  レウコトミーとも。

  脳の前頭葉の一部を切り取ることで精神疾患、

  神経疾患の症状の軽減を狙った外科的アプローチ。

  人格の変化や別の神経系の重篤な症状が副作用として

  発生することが判明しているため、現在行われる

  ことはほぼない。



2 トラウマ系絵画(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558342413130)より

 ・我が子を食らうサトゥルヌス

  スペインの画家、ゴヤの作品。

  題材としてはローマ神話=ギリシャ神話の

  父親であるカイルス=ウーラノスを神々の頂点から

  廃したサトゥルヌス=クロノスは、

  自身の子が同じように自身を頂点から廃する旨の

  予言を受けた。ので、妻であるオプス=レアーが

  産んだ子供を片っ端から飲み込んだ、という話。

  なお、後々これに激怒したオプス=レアーが

  ユピテル=ゼウスを産んだ時、こっそり石に

  すり替え、長じたユピテル=ゼウスは予言通りに

  サトゥルヌス=クロノスを廃し、飲み込まれた

  兄弟姉妹を救った。まあ、このユピテル=ゼウスも

  似たような予言受けて子供ごっくんした結果、

  頭痛からの頭かち割るはめになるんだけどさ(そして

  ミネルウァ=アテーナーが産まれる)

  絵面も強いが目が合うタイプの絵。


 ・My motherわたしのかあさん has killed meわたしを殺した.My father isわたしの父さん、 eating meわたしを食べた.

  マザーグース。

   My motherわたしのかあさん has killed me.わたしを殺した

   My father isわたしの父さん、 eating me.わたしを食べた

   My brothersわたしの and sisters兄弟姉妹たち sit under the table,テーブルの下に座り込み、

   Picking up bury themわたしの骨を拾って under the cold冷たい大理石 marble stones.の下に埋めた

  グリム童話KHM47の「ネズの木の話(Von dem

  Machandelboom)」内に出てくる

  鳥の歌や、ゲーテの『ファウスト』の牢屋で

  グレートヒェンが歌っている歌(行番号4412〜)

  と類似性がある。

  というか「ネズの木の話」の類話の「ちっちゃな小鳥

  (The Little Bird)」という話が『イギリス民話集』

  (岩波文庫)に載ってるので、やっぱりそういう

  影響が考えられる。



3 前準備(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558682557246)より

 ・昔はべて狐憑きつねつきだった

  大体説話で出てくるのは狐憑きつねつき。


 ・一時期ネットでは実況スレッド、実況配信

  調べると情報まとめてるウィキが今なお生きてる……



4 ひとりかくれんぼ(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558749646567)より

 ・ひとりかくれんぼ

  手順、ルールは基本書いてあるとおり。

  特に関西圏から広まったというような話もどこかで

  見た。

  が、内容を見ていると、中国にある収驚しゅうきょう

  という子供が驚いた拍子などに魂が遊離してしまった

  ものをもとに戻す儀式の影響もあるかもしれない

  (遊離した魂をもとに戻すまでは沖縄のマブイゴメ

  と考え方は同じである)

  おそらく地域や宗派によって差異はあるが、台南の

  収驚しゅうきょうでは、コップに米を満たし、

  対象となる子の衣服でそのコップをおおって

  線香と共にその子の体の前後で降りながら、呪文を

  唱える、という。参考資料は『中国の呪術』

  (大修館書店)


 ・胎児よ、胎児よ、何故どる

  母親の心がわかっておそろしいのか。

  夢野久作の『ドグラ・マグラ』。

  ……純粋に面白いな(小並感)って。

  高校時代に読んでそんな小学生な感想が

  果たして許されるのか。




5 ぬいぐるみの意味(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558798035809)より

 ・頭足人とうそくじん

  ここでの説明通り。

  よく幼稚園児とかが描く。


 ・『金枝篇きんしへん』のフレイザー

  社会人類学の大家フレイザーと、その人生の

  ほぼほぼを費やした、イタリアのごく一部地域の

  宿り木信仰の起源をつまびらかにするために

  多くの類似性のある口伝等を収集して論じた

  『金枝篇きんしへん』。全十三巻もあるので

  個人で持つのもなかなか難しい。

  (というか完訳出たの割と最近じゃなかったか)



6 時速60キロ(自動車全般の場合)(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558884368412)より

 ・時速60キロ(自動車全般の場合)

  法定速度のこと。


 ・糯米もちごめ

  純粋に粳米うるちまいだけでも中華圏含め生命力の象徴として

  魔除まよけや儀式で取り扱われる。散米さんまいとか。

  しかし、餅がつかれるのはそもそも年末(それを

  正月に食う)だし、その餅はお年玉そのもの

  とされたり、年神へのそなえ物として鏡餅になったり

  する。その時点で粳米うるちまいと比較した上での特殊性

  を見出されていた食べ物であると考えられる。

  特にもちは対人、対神問わず、共食のための

  食材という側面が強いとする考えもある。

  (『餅と日本人』(吉川弘文館))

  また大陸の方でも魔除まよけ、特に殭屍キョンシー

  糯米もちごめが効くなどと言われる。

  とはいえ、米の聖性については古くは『今昔物語集』

  の巻二十七の三十「幼児為護枕上蒔米付血語幼児を護る為枕上に蒔いた米に血の付く語

  にも見える。



7 神代も聞かず(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558921721971)より

 ・人に玉結びさせるな

  器量を奪われるとかも。糸を通す段階から

  他人にやってもらうのを忌む場合もなくはない。

  (その人が来るまで産まれない、嫁に行って

   戻って来るなど)

  『日本俗信事典 衣装編』(角川ソフィア文庫)が

  参考資料。


 ・千早振ちはやぶ神代かみよもきかず

  百人一首、在原業平ありわらのなりひらの歌。

  「千早振ちはやぶ神代かみよもきかず竜田川たつたがわ

   唐紅からくれないに水くくるとは」

  「霊威あらたかな神代かみよであってすら

  聞いたことはありません、竜田川たつたがわの水が唐紅からくれない

  くくり染めされているのは」みたいな意味。

  竜田川の水面に紅葉が浮かぶ様を歌ったという。

  なお、かるたとしての百人一首は元禄時代(1688〜

  1704)、江戸中期には少なくとも江戸の一般庶民が

  手を出せる安価な木版刷もくはんずりのものが売られていた

  という。まあある程度人口に膾炙かいしゃしてなきゃ

  落語の「ちはやふる」はできるわけねえのよ。

  あれご隠居のそれっぽい知ったかを笑う落語だもん。



8 空間と時間の違い(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558940276082)より

 ・血止ちどめのまじない歌 

  「千早振る〜」は血止ちどめ、糸のもつれの他に、

  「どんな時でも川を船などで渡れる」、

  「四月八日にこの歌を書いた符を貼ると虫除けに

  なる」などがある。

  『昔話と呪歌』(三弥井書店)が参考。


 ・三

  三位一体さんみいったい三貴子みはしらのうずのみこ三足烏さんそくう

  三壺さんこ三相女神さんそうめがみ、トリヴァルガ、トリケラトプス、

  三つどもえ、ヘカタイオンもあれ三つか……

  まあ世界的に三はいろいろとある。


 ・方位

  方位に十二支を当てはめる場合、東西南北は

  丸々一つ、北東や南西などの間は二つを当てはめる。

  なので、北から時計回りに行くと、

   =北

   うしとら=北東

   =東

   たつみ=南東

   うま=南

   ひつじさる=南西

   とり=西

   いぬい=北西

  となる。


 ・逢魔ヶ時おうまがとき

  大禍刻おおまがときなどとも。

  黄昏時たそがれどき、夕暮れ時の異称。

  人の世界である昼から、異界である夜に

  切り替わる境界的マージナルな時間。

  そのため、魔や怪異に遭遇しやすい時間とされた。



9 砂嵐の表すところ(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558950401288)より

 ・チャンネル、チャネリング、そして運河を意味するcanal

  ラテン語のcanalisから例の如くフランス語経由で

  英国入りし、この時点で運河や溝の意味(他には

  パイプ)がある。

  その前はcanna、古典ギリシャ語のκανναで、

  あしを意味したらしい。

  実際、あしの茎は他のイネ科植物にも

  見られるかんという節のある中空な構造を

  しており、そこからパイプの意味合いが出来、

  水を流す、流した経路としての溝、運河という

  拡大解釈で語ができた……と考えるのが自然か。


 ・

  データ的にはnullというよりundefined未定義

  言うのがこの場合正しいか。



10 おにのすまうは(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558983221366)より

 ・伝達経路が

  ようは誘い受けの状態だよねってこと。

  その上で、undefined未定義がくる。

  

 ・気象学の初歩の初歩

  たっぷり具の入ったサンドイッチを上から

  押しつぶすのを考えればわかりやすい。

  押しつぶしてる点は圧力が高い≒気圧が高く、

  その圧力でのけられた具は圧力のない≒気圧の低い

  方に飛び出す。

  そういった風に空気も動くので風が起きる。


 ・ハロウィンHalloweenの仮装の原義original

  人ならざるもの達にまぎれ込み、

  人だと気付かれて害されないための

  仮装である。



11 終了における作法について(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139559001824314)より

 ・浄化のオンパレード

  水はけがれすすぎ、洗い流す、

  比較的穏やかな浄化。

  火は罪を焼き尽くすという煉獄れんごくをはじめ

  世界的に見てもけがれを焼き尽くし、灰に

  帰す、激しい浄化。

  塩は日本の神道における正式なはらいにおいて

  伊邪那岐いざなぎ日向ひむか小戸おど阿波岐原あわぎはらでの

  みそぎの潮水になぞらえて、湯に塩を溶かした塩湯えんとう

  を用いる一方、西洋でもまた腐敗防止の

  効能からか、ホメロスに「神のような」と形容され、

  清めの象徴として贖罪しょくざい供犠くぎや密儀で

  もちいられた。

  古代ローマでは魔除まよけの一貫として、

  新生児の唇に塩をつける習慣もあったという。

  また、魔女の宴サバトにおける料理は、悪魔が

  塩を嫌うために塩抜きで作られていたともいう。

  アブラハムの宗教の系譜においては、ある種

  共食の象徴のような役目も持っており、神と

  人を結びつけるものとされ(マタイによる福音書の

  「あなたがたは地の塩である」あるいは

  「地の塩、世の光」)、清める目的で使用されること

  もあった(旧約聖書の預言者エリシャが水源を

  清めた話)

  また、人と人を結びつけるものという考えもあり、

  千夜一夜物語の「アリババと四十人の盗賊」では

  客を装ってアリババを殺そうとした盗賊の頭領が

  料理に塩を入れないよう(=殺す対象との結びつきを

  忌避)、女奴隷モルジアナに頼んだことで、

  そのたくらみを看破され、モルジアナに殺される。

  他、イギリス民話の「藺草いぐさずきん」や

  イタリア民話の「塩のように好き」、

  スペイン民話集の「食べ物にかける塩のように」は

  全て父親に自身をどれほど愛しているか問われた娘が

  「塩のように」と答えることで父親を怒らせ放逐後、

  結婚式に呼んだ際に父親が口にする料理から塩を

  抜くことで塩の大事さを知らしめる、という話が

  ある。

  えー、参考資料は『世界シンボル事典』(大修館

  書店)、『イギリス民話集』、『イタリア

  民話集 上』、『スペイン民話集』(ここ三冊

  岩波文庫)です。



12 吹き放つという所作(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139559061184389)より

 ・息を吹きかけること自体が〜

  火傷やけどや止血、病や痛み、蛇や虫による咬傷

  に対するまじない歌を唱えた後に、息を

  (場合によっては指定の回数)吹きかける、という

  定形じみた所作がある。いざなぎ流では病魔を払う

  儀礼の最後で病人に息を吹きかけることを、たましい止め

  と呼ぶという。また、湧き水を飲む時にも

  息を吹きかけると水に当たらない、という地域も

  ある。

  一方できつねの窓越しに狐火に息を吹きかければ、

  その狐火が消えるが、人に向けて吹きかけると

  その人が死ぬとされたり、雪女などの妖怪が人に

  息を吹きかけるという動作はその人を殺す時に

  行う動作ともいう。

  現世対現世の息の吹きかけがはらいや

  活力に繋がると見る一方で、現世対異界の息の

  吹きかけはこれが反転するものとして見ていた

  とも考えられる。

  この辺りは『しぐさの民俗学』(角川ソフィア文庫)

  が参考資料。


 ・気吹戸いぶきど気吹戸主いぶきどぬしいう神、根国ねのくに底之国そこのくに気吹いぶきはなてむ

  大祓詞おおはらえのことばの一節。

  速開都比売はやあきつひめが海に流されてきたけがれを飲み込んだ

  後の段。三番目の工程である。

  どうやら速開都比売はやあきつひめは現世側の存在であるが

  胃は根の国の気吹戸主いぶきどぬしの肺に繋がっている

  らしい。



13 周章狼狽しゅうしょうろうばいを笑う犬(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139559104795128)より

 ・周章狼狽しゅうしょうろうばい

  大いに慌て狼狽うろたえること。

  なお、この作品上で比喩的に犬、狼を出した場合は

  ひろを、からす等鳥類を出した場合はロビンを指す予定

  です。


 ・Make hay while the sun shines.

  鉄は熱い内に打ての英語表現。

  「干し草は日がる内に作れ」


 ・緑の目の怪物green-eyed monster

  シェイクスピアの『オセロ』のセリフ。

   O, beware,おお、嫉妬には my lord of jealousy;お気を付け召されよ、我が主

   It is the green-ey'dそやつは獲物を monster whichもてあそんでは doth mock食ろうてしまう

   The meat it緑の目の怪物に feeds on.ございますれば

  ここまで、こういうのは自分で訳してるよ。

  (こだわり&楽しい)

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