3 前準備
「抵抗……とはいえ、なんだか
「
だからこそ、昔は
昔々の人々の世界、つまり生活圏内や認識範囲は
「それに、発端自体が発端ですからねえ。ひとりかくれんぼ、なんて」
そう言って
「
「……うーん、その、ひとりかくれんぼってそんなにダメなんですか?」
言い方からして、ひとりかくれんぼをよくわかってなさそうだ、と
とはいえ、現状
「まあ、今時やろうと思っても難易度高そうですしねえ。主にテレビの砂嵐」
「理論的に考えると、周波数を自分でチューニングするタイプのラジオとか、スマートフォンのキャリアメールのサーバ問い合わせを代替にしても、行ける気はするんだけどねえ」
「いや、最近キャリアメール自体ほぼ使わないでしょ」
けらけら笑う
「テレビの砂嵐にキャリアメールのサーバ問い合わせってどういうことです?」
しかし、まあ、状況を
「まずは、ひとりかくれんぼの説明からでしょうね」
ちらりと視線だけで横方向を確認するが、相変わらずにこにこしてる師匠も、なんだか楽しそうな
茶々や補足は飛んでくるだろうが、説明自体はまるっと
「んー、ひとりかくれんぼは、さっき言った通り、知識ある人間から見れば、
過去形。
テレビの地上波デジタル放送化により絶滅したとみていい。テレビの砂嵐画面がキーだからだ。
「なんというか、言い方からして、
「そりゃあ、呪いの模倣で発生する心霊現象を楽しむためのものなんですもん。悪趣味
「つまり自己責任論でいくと、何をどうやってもやった本人が悪いんだねー。一時期ネットでは実況スレッド、実況配信とか複数立ってたし」
ずぞぞ、とお茶を
案外、この師匠の守備範囲は
「とまあ、そんな心霊的火遊びだったんですね。手順としては、諸説あったり自己流アレンジする奴もいたりはしますが、基本は同じです。まず
「……人形じゃなくて、ぬいぐるみじゃなきゃだめなんですか?」
おお、と横で
人形は
「まあ、基本ぬいぐるみですね。何故なら腹をかっさばいて、綿を抜き出す必要があるので」
「かっさばいて」
「……かっさばいて」
「綿、抜いちゃうんですか?」
「はい。代わりに米と一緒に爪とか髪とか自分の身体の一部を詰めるんです」
たぶん、具体的な行動は理解したけど理由がまったくわからないからだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます