4 うろを満たすは side A

本編でだいぶ解説してるから少ないね、うん。


3 目には目を(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558101569389)より

 ・ナザール・ボンジュウ

  対邪視のお守りとして昨今カジュアルに有名。

  なお、歴史的には青に限らず、目玉のような

  模様になったビーズをお守りとしてもちいていることは

  多い。

  他にも青い目に邪視の能力があるとする

  パレスチナでは青いリボンなどの青い

  装飾品を対邪視のお護りとして用いるらしい。


 ・邪視

  邪眼とも。この視線にさらされることは

  忌避される。が、実は具体的な被害内容について

  語られる場合はあまりない。

  ただし概念自体はとても古く、古代ギリシャでも

  βασκανιαバスカニアなどと呼ばれ、存在していた。


 ・身につけるのに穏当な形をしていません

  邪視への対抗策としては、大まかにわけて

  ①目の意匠

   例

   ・ナザール・ボンジュウ

   ・サンタ・ルチアの目、ウェヌスの目、聖母の目

    などと呼ばれるサザエ等の貝のフタ

   ・ファーティマの目

    (ファーティマの手、ハムサとも。

     手の甲ないし掌に目が描かれる場合がある。

     ファーティマは預言者ムハンマドの娘のこと。

     イスラム文化圏で簡易化した図像が

     刺繍等で使われることも)

  ②ファリックシンボルとかフィグサインとか

   例

   ・ギリシャのプリアポスやローマのムトゥヌス・

    トゥトゥヌス

   ※プリアポスはサテュロスにも近いが、それより

    低級というか、より専用化してるというか。

   ・ファスキヌム(それそのもの)

   ※ファリックシンボル…………ええい、

    まどろっこしい、ファルス、つまり

    勃起した(多くはでかい)陽物を持った神

    (プリアポスとか)やそれそのものを

    模したもの。

   ※フィグサイン、フィカともいう……象徴的に

    無花果いちじくと呼ばれるが、

    んー、握り込んだ親指を人差し指と

    中指の間から出す、まあファリックシンボル

    と同等ないし対義語にあたるブツを象徴するとか

    言われるやつ。

  がもちいられる。

  流石に②は年代をた結果、順当に

  婉曲えんきょく化してったと考えられる

  (裸婦の開脚→双尾の人魚、

   ファスキヌム、フィカ→コルナ[拳の人差し指と

   小指を伸ばしたハンドサイン。角の意]とか)  

  勿論、そうした意匠に整形せずとも、

  万能の魔除まよけと、かのパラケルススが

  太鼓判を押したとかいう珊瑚さんご

  そのまま、邪視・邪眼に対しての護符として

  用いられた。実例として、ナポリ王の

  フェルディナンド一世は邪視・邪眼を

  確信した時には必ず珊瑚さんごをかざしたなどとも言う。

  ……どっかの博物館にはローマ時代の翼の生えた

  ファスキヌムがあるらしいよ、何故生やしたし。

  参考は『図説 西洋護符大全――魔法・呪術・

  迷信の博物誌』(八坂書房)、『西洋の護符と呪い:

  プリニウスからポップカルチャーまで』(八坂書房)


 ・背守せまも

  特に魔除まよけになる籠目かごめあさの葉、矢(破魔矢はまや)の

  意匠などの種類があったという。

  背守せまもりでは縫い終わった部分で切ってしまう

  のではなく、そのまま長く糸を垂らす事も往々に

  あった。というのも、それが長いほど、子供の

  寿命が長くなる、と言われたからだという。


 ・この目が見ている中では悪さはできまい

  事実タイガーアイやキャッツアイ、天眼石、

  孔雀石マラカイト孔雀くじゃくの羽そのもの

  などが護符としてもちいられてきた歴史がある。

  また、エトルリアのランプに彫られた魔除まよけは

  無数の蛇を髪とするゴルゴーンの顔(つまるところ

  計するととんでもない量の目)が中央に

  位置している。まあ、γοργονειονゴルゴネイオンって

  呼ばれる目をかっぴらいて舌を出すという顔つきが

  魔除まよけともされるんだけど。

  ある意味で天網恢恢疎てんもかいかいそにしてらさずもそう。

  シュメールのウトゥ(=メソポタミアの

  シャマシュ)、エジプトの太陽神ラーとホルスの同等

  図像化(ホルスないしウジャトの目と言えば

  魔除まよけとして有名)、ギリシャ神話に

  おけるヘーリオスの呼び名

  ヘーリオス・パノプテース全てを見るヘーリオスなど、太陽と見ること

  (それに伴う正義の行使)が紐づく事が多々ある。

  『グリム童話』のKHM115「明るい太陽が

  明るみに出す(Die klare Sonne bringt's an den

   Tag)」はその意識の延長線上なのかもしれない。



4 応急処置(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558134804865)より

 ・ASAPなるはや

  as soon as possibleのイニシャリズム。

  他のお客さんもいる中でこれ言われると

  困る(単なる私情)



6 しいなhttps://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558186381720)より

 ・しいな

  実がないもみ。実が入らずにしなびた

  果実。中身のないもの。


 ・八木はちぼく

  米の異称。米の字を分解すると「八」と「木」に

  分けられるから。


 ・禾殻かこく

  稲の異称ないし穀物類の総称。

  だから穀物系にはのぎなのである。



8 うつろにすくう(https://kakuyomu.jp/works/16816927863205636014/episodes/16817139558196105708)より

 ・呪詛じゅそ系譜けいふ

  side Bでも解剖してるが、

  ひとりかくれんぼは類感呪術と感染呪術の

  双方を兼ね備えたうしこくまいりと

  同等の呪詛であり、術者は名前のタブーによってのみ

  守られている。 

  まあ、Mutato nomine名を変えれば de te物語は fabula narratur.お前を語る

  などと言いますし、古代ギリシャの魔術師は

  定型フォーマットで対象の名前を入れる部分だけ

  変えてたなどと言いますし。


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