概要
「ヨーロッパの旧市街に行くといい。そこで1日ぼんやり座っているだけでいいんだ…」。すべてはそこから始まった…。
当時19歳の俺は、拭いきれない失恋を抱えていた。
小莉(シャオリー)…。1年前、初めての恋人と春の上海を過ごしていた。
「…日本に戻ったらお金を貯めて、あなたを日本に呼び寄せます」。
…しかし、若い二人の誓いは続かなかった。
結婚に反対した彼女の両親は、彼女に次々と縁談を持ち掛けた。
「両親はあれこれ薦めてきますが、わたしにはあなたしかいません…」。
しかしそれは金持ちの御曹司を紹介されるまでのことだった。
「…だからもう」。それはクリスマスの直前だった。
スナ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!主人公と一緒にバックパッカーの旅を楽しめます
二十世紀終わり頃のお話なので、当時を懐かしく思いながら(恥ずかしながらミレニアムの頃には、すでに人間やってた年齢なので)、拝読させていただきました。
旅先で出会う個性的だったり訳ありだったりの人々との会話、その土地に住む友人たちとの再会、もちろん観光もあり、男子大学生の一人旅の気分を一緒に味わえます。危険な体験だったり、面白い体験だったり、切ない体験だったり。毎日毎日様々な体験をする主人公の、それを語るときの表現も楽しいです。
その国や町の歴史や当時の社会などの説明もあり、とても読み応えのある小説です。このままこのシリーズを読み進めていこうと思っています。 - ★★★ Excellent!!!旅好きは必見! 旅先で出会う面々がとにかく凄い!
これは面白いですね。まるで旅エッセイ本を五冊位読んだような、充実した内容です。これを無料で読めるのは凄い!
著者がバックパッカーをしていた20年位前の欧州とアジアが舞台となっているので、当時を知る人には懐かしく、知らない人は驚きを感じる事でしょう。
そして何より魅力的なのは旅先で出会う個性的な人たち! 一人一人が著者の巧みな筆で生き生きと描かれていて、「旅の醍醐味は人との出会いなんだなあ~」という事を実感させられます。
一人の体験とは思えない程凝縮した濃厚な、時に楽しく、時に切なく、時に痛い(!!)青春は、読んだ人誰もが、どこか羨ましいと感じるのではないでし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まるで旅行をしているような気持ちになる物語
【物語は】
ふとしたきっかけで、20年のことを思い出すことから始まる。そして、その旅行の記憶は機内から始まったのだった。隣の席の客とのやり取りを通して、自分が一人旅をすることになった経緯や、旅の意義などについて考える主人公。旅の目的に理由はつけられるものの、その行き先がヨーロッパであったという理由については、明確に自分の意志もしくは目的があると述べることが出来ないようだ。それでも旅は既に始まっており、憧れの地へ降り立つこととなる。しかし、そこでの初めての経験は、明るいものではなく幸先の良いスタートは言えなかった。ここから主人公がどのような旅を続けるのか、悪いことばかりでないことを祈りたい。
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