概要
そこを出るには忘れなければならず、そこに住むにも忘れなければならない。
昭和六十年の初冬、父親の実家がある僻地・忘谷(わすれだに)。過疎の進むその集落で、友達のヨシくんに誘われ入り込んだのは――。
芦花公園ホラー賞参加作品。
芦花公園ホラー賞参加作品。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!北国の寒々しい空の下
北海道出身者です。ついつい衛星写真と見比べながら読んでしまいましたが、是非皆様にもこの物語の舞台に該当しそうな一帯の、寂しげな集落の佇まいを見てほしい……
「スノトレ」「サビオ」「わや」といった北海道ワードは遊び心にとどまらず、ちょっとした異界感を演出してくれています。
帰省するたびに少しずつ人が減っているような気がしてしまう、最近若干試されすぎているきらいのある大地・北海道という土地にこの上なくマッチするテーマで、胸が締め付けられるような気持ちになりました。
銭函や函館といったハコに関する地名の由来を調べてみたら、さらになるほどと思えるかも知れません。