概要
一人は剣士。王となり、軍を率いて一大王国を築いた彼を、民衆は『英雄王』と称えた。
一人は軍師。宰相となり、知略で国を支えた彼を、民衆は『賢者』と崇めた。
王国は盤石と思われたが、魔女は死に際に呪いを残していた。
「私は必ず甦る。その時こそ、この国の最後」
大陸統一暦1200年、アルバ王家に魔女と同じ白髪赤眼の王女が生まれる。
魔女の生まれ変わりと恐れられた王女は幽閉されたが、侍従の少年とともに健やかに育った。
しかし国の動乱は王女と少年を飲み込み、二人を思いがけない運命へと押し流していく。
そこで二人が知った、魔女と英雄たちの正体とは。
抹消された歴史の真実とは、一体何だったのか。
中世~近世時代ヨーロッパ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!僕はきっとこの作品に出会いたかったんだ
この作品を読んでいると、相反する2つの思い―ジレンマが起こってくる。
1つは、続きが気になって気になって仕方がない、一刻も早くページをめくりたい、という思い。
そしてもう1つは、何度も何度も読み返したい、永遠にこのページを見続けていたい、という思い。
その2つの思いを両立させるだけのものが、この作品にはある。
ネタバレになるので詳細は避けるが、主人公の2人はあるきっかけによって己の運命と対峙せざるを得ない状況へと追い込まれていく。
文章構成の妙によって、予め最終的な結果「だけ」がわかっている我々読者は、どうしてそうなるのか、本当は何があったのかということを、知らずにはいられない。だから続きが…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読み応えのある、心揺さぶられる物語。
一人の人の生は、流れていく時の中では点でしかない。その点でしかない人の生が集まり、流れとなっていくときに歴史となる。それは、時にゆっくりと穏やかに。そして、時には全てを押し流す濁流のごとくに。
これは、とある王国の興亡という激流の歴史の中で生きる意味を模索しながら精いっぱいを生き抜いた人々の物語である。
作者が中世から近世ヨーロッパをモデルにしたという架空の王国が舞台ながら、まるで実在したかのようにその時の時代の雰囲気、また人々の生活が生き生きと描かれている。実際の世界が多くのものを包括し、それぞれがお互いに影響しあいながら進んでいるように、この物語も様々な出来事がからみあいながら進んでい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!色々なことを考えさせられる小説
本当に一言でいうと、色々なことを考えさせられる小説です。
それは差別だったり、偏見だったり、子供に対する虐待だったり、頂点に立つものの苦悩や孤独、本当の努力とはなにか、敗者とは、勝者とは一体何なのか・・・・ということをです。
この小説は確かに、「恋愛を基軸」として発展していきますが、それ以上に、彼らの周りで起こる事象、彼らの苦悩が、手にとるようにわかります。
私は、乱読家ではありませんが、ハマった小説は、何回でも読んでしまう気質の持ち主です。この小説は、実は別の小説にハマっていた時期にその小説を解説しているブログで紹介されていた小説でした。
皆さんも、この小説を読んで色々なことを考え…続きを読む