概要
ある大学の演劇サークルを軸に巻き起こる不可解な事件を描く異色の演劇小説
梅雨もようやく明けようとする夏のはじめ。公演を間近に控えた即興劇団『ヒステリカ』は最終の追いこみに余念がない。
脚本のない即興劇という特異なスタイルと堅苦しい規律ゆえに存続が危ぶまれていた弱小サークルではあるが、春には待望の新入団員を迎え、新たな体制での第一歩となる節目の公演である。
入団二年目のハイジは、性別を無視して名づけられた不名誉なコードネームにもめげずサークル活動に邁進してきた結果、この公演後にはヒステリカの新たな団長となることが内定している。
裏方の手配も終わり、大小の道具もあらかた準備でき、あとは仕上げの調整を残すのみ。 最後の日曜日は公演前特有の緊張を孕みつつも、いつも通り気の置けない遣り取りのうちに幕を閉じる。
だがそれは同時に、まるで劇中の世界が現実に溶けだしてく
脚本のない即興劇という特異なスタイルと堅苦しい規律ゆえに存続が危ぶまれていた弱小サークルではあるが、春には待望の新入団員を迎え、新たな体制での第一歩となる節目の公演である。
入団二年目のハイジは、性別を無視して名づけられた不名誉なコードネームにもめげずサークル活動に邁進してきた結果、この公演後にはヒステリカの新たな団長となることが内定している。
裏方の手配も終わり、大小の道具もあらかた準備でき、あとは仕上げの調整を残すのみ。 最後の日曜日は公演前特有の緊張を孕みつつも、いつも通り気の置けない遣り取りのうちに幕を閉じる。
だがそれは同時に、まるで劇中の世界が現実に溶けだしてく
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!例えるなら...これは、底なし沼である。
恐れてはいけない、泥沼の如く濃いストーリーに。
畏れてはいけない、作者の文才に、この世界に。
以下個人的な感想&長文です。ネタバレはないと思いますが、僕に文才は無いので悪しからず。
実は、この物語はルート分岐があり、自身1ルートしか読了しておりません。しかし、Reviewを書かざるを得なかった。この物語への感想を抑えずには居られなかった。一部外部作品を挙げているので、信者様からは批判を受け得るのだが、ご了承願いたい。
この物語を読んでいた時、様々な作品を思い出した。まず思い出したのは、Fate/stay nightだ。分岐し、主人公の感情を深く、深く掘り下げられる彼の作品に、この主…続きを読む - ★★★ Excellent!!!この作品を埋もれさせておくのはカクヨムの罪
一幕、中盤まで読んでの感想です。(本当は読み終えてからレビューしたかったんですが、ちょっと最近読む暇がないので先にレビューさせて頂きます)
まずこの作者はプロ、またはセミプロとしか思えないくらいに構成力が凄い。物語創作について何かしらの勉強をしたか、似た経験があるとして、それでも、とても素人が書いたとは思えない。
文章も非常に巧く、語彙力の高さも伺える。それ故とっつきにくい部分もあるが、とにかく騙されたと思って十三話までは是非読んで欲しい。
作者についての称賛はまだまだあるがこの辺にして、本題の筋書き。
作者がどれだけ頭を捻らせ悩ませたかを思わせる、知的で、濃厚で、静謐で、熱い…続きを読む