第22話 その日の晩

 悪役令嬢ガブリエルは自分の部屋のベッドで考え事をしながら横になっている。

 魔女、それはこの乙女ゲームである世界のなんらかの人物であると考えられる。

 そうガブリエルは前世の記憶を思い出そうとしている。

 しかし、前世の記憶や乙女ゲームの内容を忘れているためにどうしようもなかった。

 コンコン、ノックがして姉エルモが入って来た。

「ガブリエル? 眠れないの?」

「うん、お姉ちゃんも?」

「一緒に寝ようか?」

 姉エルモはベッドに入った。

 姉妹は天井をじっと見つめる。

 無言である。

 ガブリエルはどうにかして魔女のことを思い出そうとする。

 けれども、思い出せない。

 気付けば、姉エルモがすうすうと眠っている。

 ガブリエルは寝返りをうって目を閉じた。

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