第7話 とりあえずフラグをフンッ! とへし折っていく

 姉妹であるガブリエルとエルモ。姉エルモの提案でリチャードの家に押し掛けることになった。

 リチャードはそんな姉妹を見て、こう言った。

「あはは、そんなことあるわけがないじゃないか」

 リチャードは笑顔で言った。

 しかし、

「ええー!? 私はもてあそばれたの?」とガブリエルはウソ泣きをする。

「リチャード? どういうわけなの?」姉エルモは怖い笑みを浮かべる。

「えっと、ボクにはわからないけど?」リチャードはあくまでも知らないふりをする。

「リチャード? うちのメイドが見たって言っているのよ?」姉エルモは強気である。

「帰ってくれないか?」リチャードは立場が悪くなるとそう言った。

「お姉ちゃん? ここは私に任せて?」

 ガブリエルがそう言ったと思えば、一瞬でリチャードを背負い投げして、腕ひしぎ逆十字固めを決めた。

 さすが前世は女子学生プロレスをしていただけはある。

「いてて! なんだよ!?」リチャードは腕の痛みに耐えている。

「あら? 私の可愛い妹ガブリエルにそんなことをしたからでしょ?」姉エルモは冷たい笑顔をしている。

「……! すみませんでした!」リチャードは認めた。


 姉妹は家に帰ってから、ガブリエルの部屋でリチャードの物まねをして笑っている。

「さすが私の可愛い妹ガブリエル!」

「ありがとう! お姉ちゃん!」

 なんとも微笑ましい。

「お姉ちゃん、大好き」やんちゃ令嬢ガブリエルはそう言った。

 すると、

「え、えっと、照れちゃうなあ」と顔を真っ赤にして姉エルモは言った。

 ガブリエルは姉エルモに抱きついた。

 ギュッとエルモも抱きしめた。

 姉妹の危機は去った。

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