概要
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!才能ってのはつまり覚悟があるってことだ
マラソンランナーの上位の人って、同じの国の人ばっかりだよなあって思ったことありません?
才能だと思ってたんですよ。環境も含めて。
でもそうじゃあ無かった。いや、環境や才能に恵まれないといけないしその上に努力を研鑽していくから風を切り裂けるのですけれども、それだけじゃあなくて、もっと根幹に根差す覚悟が人を強くしてるんだなあって。
土俵は違いますが、我々創作家も大事なのは環境や努力より、覚悟なんじゃあないかなあって思いました。もちろん環境も努力も必要ですけど。そうじゃなくて、書かなかったら死ぬじゃん。だから書くんじゃん。っていう、そういう当たり前の覚悟が必要なんじゃあないかって。私はそう思い…続きを読む - ★★★ Excellent!!!記録ではなく、記憶を追った。苦い苦い後悔の記憶を。
【ネタバレを含みます! 先に作品をお読みください!】
作中に三度登場する情景描写「琥珀色の地平。群青の虚空。上下を二色に分割された抽象画の中」、まさにアフリカという感じがする。テレビで見たことがある。果てしなく続く大地と、濁り無い真っ青な空。「抽象画」と表現されていて、よりイメージしやすかった。
冒頭、匿名の手紙『エリックの本当の実力を知りたければ、──』を見れば、マラソン(というか競技スポーツ)という世界を舞台にしているから否が応でも『不正』が頭をよぎる。続けて「エリック・ケンボイ周辺へ取材を重ねることになった」というのだから、これから語られるのは世界記録更新を成し遂げた英雄の凋落…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ウサギを追え、夢を追え、ただひたすらに前を向け
この物語は、単なるマラソンの話なのか。
この問いに、私は声を大にして否と答えたいです。
なるほど、確かに描かれているストーリーはそうかもしれません。
描写も見事。
シーンの繋ぎも、映像の手法を意識されているとのことで、驚くほどなめらか。
けれど私が真に感銘を受けたのは、この作品に込められたメッセージです。
これがひどく、書き手としての私に刺さりました。
書き手の皆様も、執筆中に感じたことはないでしょうか。
最初は「自分が楽しい」で終わっていたはずの執筆が、いつしかPVが伸びない、フォロワー数が増えない、評価されない、と悩みの種になる。
自分の作風は流行に乗っていないのか。ならば、流…続きを読む - ★★★ Excellent!!!頑張るあなたが、進む道を見失ったときに読んでほしい一作
人は夢のために邁進する。夢は人の原動力となるのだ。
ならば、その道のトップを走る人の見る夢はどんなにすごい物であろうか。あなたも見てみたくありませんか?
この作品で描かれるのはある夢のために頂点の走りを目指す一人のランナーと、
それぞれの夢に向け進む周囲の人々の思いだ。
人の数だけ夢があり、過程があり、結果がある。
共通して言えるのは誰も夢を見ることを諦められないことだ。
夢は叶える物だという。だが、その道のりは必ずしも平坦とは限らない。
日々の生活の中で擦り切れ、夢を見るのに疲れたあなたに読んでほしい、力の湧く作品です。 - ★★★ Excellent!!!タイトルを見ただけで面白いとわかる作品、ここにあり!!
この作品とタイトルとキャッチコピーを見た瞬間、「絶対面白いに違いない!」と直感が閃きました。
「リフト・バレーの幻」、全く意味がわからない。しかし、なんか伝わってくる。そして、キャッチコピーからは、マラソンの話っぽいことがわかる。
マラソンの短編? 絶対面白いに違いない、そう思って読み始めると、いきなり、ベルリンマラソンの空撮の描写が始まる。
おいおい、何これ?! 映画かよ!
頭の中に映像浮かんでくるんだけど!!!
そして場面展開して、意味深な会話。何の話だかわからないけど、いかにも意味深。ここでも、映像浮かんでくる。話している男は、肘を机につけ、両手の指を絡めている。キラッと光る眼…続きを読む