概要
青い目のメーは、大切なものが欠けた世界を補うようにあらわれた。
9歳の誕生日の翌日に、母親がいなくなった。
母という大きな存在が欠けた世界に、あのころどうやって折り合いをつけていたのか思い出せない。ただ、父と二人で生きていかなければならないことだけはわかっていた。祖父母の家は遠く離れているし、他に頼る人もいなかった。父は変わらず仕事に行って、夜まで帰ってこない。
そんなときに、メーは僕の前に現れた。
母という大きな存在が欠けた世界に、あのころどうやって折り合いをつけていたのか思い出せない。ただ、父と二人で生きていかなければならないことだけはわかっていた。祖父母の家は遠く離れているし、他に頼る人もいなかった。父は変わらず仕事に行って、夜まで帰ってこない。
そんなときに、メーは僕の前に現れた。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!いたいけな友人
ずっと、心の中に棲む友人たちのことについて言語化したいと思っていました。それに際し、先駆者様の小説を発見し、現在まで読ませていただいております。
自分にとって心の中の友人たちの出現は、青春時代に友人が少なかったことに対するコンプレックスだとばかり思っていたのですが、孤独な幼少期を紛らわせるための防衛策だったのかもしれない、と思い至りました。自分が気が付くもっともっと前から彼らは私のそばにいたのかもしれない。「さびしくないからね」、とつぶやきながら。
めーちゃん=猫のメル、という展開にはあっとさせられました。成人してからはメルとの描写が増えていますが、それは同時に過去のめーちゃんとの別…続きを読む