第27話 砦は孤児院
唐突ですが、私達の住まいの砦が孤児院になりました。
あの後、衛兵隊長の取り計らいで、高級宿泊所に案内され、衰弱した子供達の回復療養に10日費やしました。
宿泊は、准国賓待遇、公費での貸し切りです。
宿泊3日目、国王様から、謁見要請があり、私にエリスそれに、ゼンの3人が王城に向かいました、勿論迎えの馬車に乗ってです。
晩餐会では無いので、服装は非礼に成らない程度の、フォーマルドレスをエリスと着て居ます。
ゼンは軍服姿です。
国王様は、私の事情を考えて、個室での会談として、非公式の謁見にしてくれました。
「ミア-ミネルバ王女、元気そうで何よりである、以前会ったのは2歳で、供の騎士と始まりの町で暮らす許可を申し出た時であったか?」
「はい!!少しだけですが、覚えて居ります」
「今回は城下に根付く、悪徳商人を摘発、被害者の子供達を救ってくれた事、大儀であった!!!」
「その事で、僭越ながら、ご提案が御座います」
「申してみよ」
「大勢の子供達の住居とし、スクルド神殿の近くの、現在の私達の仮住まいを、孤児院にしたく思います」
「元盗賊団のアジトで有るな、盗賊団壊滅の手柄も、聞き及んでおるぞ!」
「で?孤児院とは、どう言う施設であるか?」
中世を想定したミネルバロード、孤児院の概念は無かったか。
「孤児院とは、身寄りの無い子供達を、成人するまで育み教育を施す場所です」
「な、なんと!!画期的な構想であるな!!!」
「この施設が運営されたら、現在スラムで野たれ死んでおる孤児を救える!!」
「ミア王女、此をそなたに渡す、朕のお墨付きである、全ての費用は公費で賄う、必要な人材も、このお墨付きが有れば、簡単に召集出来る、期待しておるぞ!!」
「有り難う御座います、此で私達が出た後も、孤児院は運営されます」
「ミア王女、マゴン討伐に向かう件で有るが、非公式の情報によると、既にマゴンはコヤマ-ノボル-ミネルバ王子に討伐されて、国は元通りにコヤマミネルバ王が復興したとの事である、非公式の情報では有るが、真実のようである」
「ノボル王子!!はぁ・・・マゴンは討伐されましたか、我が手で討伐は叶いませんでしたが、そうですか、ノボル王子はLV125とか・・・当然ですね!!」
「な?なんと!!ミネルバ王はLV125もあるのか!!!」
「はい、そう聞き及んで居ります」
「・・・出鼻を挫くような話で、すまぬが目出度い話ではある」
(化け物みたいなミネルバ王とは、何が何でも仲好くせねば・・・そうじゃ!!)
「王族である、そなた・・・あぁ面倒くさ!普通に話すよミアちゃん」
「へっ?」思わず変な声出しちゃった。
「ミアちゃん、儂の養女にならんか?」
「国王様の養女に?ですか?」
「普通に呼んで欲しい、スクルドと!!」
「はい・・・スクルド様?」「様も要らん、この部屋には人払いして儂らしか居らん!!」
「でも・・・」
「知っての通り、儂には子が居らん、熱病を患って子を授かる事が出来ん」
「そう、だったん、ですか?」
「ミアちゃん、娘になってくれ、ミネルバ王女なら、誰からも文句は出ん!!!」
「考えてさせて下さい」
「突然の事で戸惑うよな!!今夜は一緒に飯をくって、一晩じっくり考えてくれ」
結局、流されて晩餐の席に着いています。
このミネルバロード、チャラ男がクリアしたのを、インストールしたみたい。
って事は、縛り無く自由に遊べる世界だよ!!
ミネルバで無く、スクルドの王女になるのも悪く無いかも。
ってか、美味し過ぎる話ではないか!!
スクルド国王は、種無しカボチャ!私以外に王族は産まれない!!
しかも、まだ国王は27歳と若い、まだまだスクルド王の時勢は安泰。
私は何処かに領地を貰い、数十年は自由に遊べる、うん!!悪く無いぞ!!!
「スクルド王」「何だミアちゃん」
「養女の件ですが、孤児院を順調に運営させる為にも、お受けしたく存じます」
「おっ!!ミアちゃん!!娘になってくれるのか!!!」
「はい」「目出度い!!可愛い娘が出来たぞ!!!」
お互いの思惑、利害が一致して、事は急展開しました。
「早速で悪いが、ミアちゃんの気が変わらん内に、明日スクルド聖教の神殿に親子の登録を申請に行こう!!」
「明日、ですか、はいお供します」
国王のお墨付きで動くより、スクルド王女として動いた方が、今後の為にもベストでしょう。
翌朝早朝に、スクルド聖教神殿に置いて、せっかちと言うより、余程私を娘にしたかったようで、簡単にスクルド王女になってしまいました。
城に戻り、王妃様にも紹介されました。
子を、産むことが出来ないのを承知で、王に嫁いだ王妃様養女とは言え、娘が出来た事大層喜ばれて居られました。
「ミア王女、楽しそうな事は、私も呼んで下さいね!!」
「はい?」
「孤児院と言う、養護施設を開設するとか」
「はい!」
「私も孤児院が見たいの!連れて行って!!」
「砦はとても、王妃様を、お迎え出来るような場所では有りません」
「お母様です!!」
「はっ?」
「王妃では無く、お母様と呼んで」
「あっ、はいお母様」
「ミアちゃん連れてって!!」
「ミアちゃん、エリザベスは野宿大好きだぞ、連れて行ってやれ!!」
「それから、儂もお父様と呼んでくれ!!」
「私の仲間は、かなり特種な者達が多く居ます、驚く事が多い旅になりますよ?」
「面白そうね、ドンと来いだわ!!」
参ったな!!王妃様じゃ無い、お母様が同行する事になりました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます