第39話 拉致、そして永住

 現実の目覚めは、久し振りのような気がしますが、翌日の朝です。

 隣のチャラを、起こさないよう、そっと縛った手をほどきます。

 スッキリとした目覚めです。

 当然ですね、LV83から、全然LVを上げて無い。

 何度も試した事ですが、現実でも私、アイテム収納出来るのよ!

 丸薬、毒消し入ったままで、でもこっちで使う事無いけどね。


 朝食は、卵焼き甘く無いだし巻きね、焼きサケに揚げと豆腐のお味噌汁、ご飯はもう少しで炊ける。

「そろそろ起こすか、お~いチャラ男、朝飯出来たぞ、起きろぉ」

「あっ、ミアお早う!こう言うの良いな!新婚みたい」

「ば、バカ言ってないで、顔洗ってこい」



「美味い!このだし巻き最高!!」

「これも食うか?」

「ありあっす、頂きまっす」

「今日は講義に出ろよ、私も山岡講師の講義に出るよ」

「講義終わったら、昼飯どっかで食べよ」

「良いね、バイト無いしユックリ出来る」


 山岡講師の講義は、軽妙なトークで分かり易く、良い講義だったと思うが、精度の上がった鑑定で、数人の教え子を、食ってるのが見えた、最前列で講義を聞いている女どもを、鑑定するまでも無い。

 講師が何をしようが、私に実害が無ければ、関係の無いことですが、興味が失せては、右から左に講義が抜けて行く。


 さて、チャラ男と昼飯でも食うか。

 講義にまともに出たのか、チャラ男は既に待ちの状態です。

「チャラ男・・・まっ、良いか、毎度の事」

「ん?ミアどうかした?」

「いや、それより、美味い飯食わせる所に連れてって」

「おう!俺も初めての所、出来立てのイタリアンレストランに行こう!!」


「あれ?こんな所に、こんなの有った?」

「俺も最近知った店だ、こっちにはあんまり来んから」

「あの商社ビル、暴力団事務所って本当?」

「ああっ!山下会って暴力団の隠れ蓑」


 スパゲティーミートは、美味しい方かな?凄く美味しいとは言えない。

 トマトスープは・・・変・・・な・あ・じ・・・。

「凄く眠い!チャラ男?寝てる!」


「強力な睡眠薬入のスープ、この女、まだ寝てない?」

「どうせ、意識は朦朧としてる、このまま事務所に連れて行け!!」


 睡眠薬盛られたみたい、LV83の耐性嘗めるな!!!

 でも、このままじゃ、寝てしまいそう・・・どう、する?

 厨房の裏から連れ出され、ワゴン車に放り込まれ、事務所とかに連れて行くようです。

 そうだ!!!「毒消し口の中へ!」うん、口の中へ毒消しが現れた。

 飲み込むと、即眠気が消えました、でも寝たふり。


 薄目で確認すると、山下ビルの裏から、ワゴン車ごとビルに入って行きます。

 拉致した男達は、寝てると思ってか、それともビル内に入れば、逃げ出せないと思ってか、口が軽い。

「このガキの親父、大会社の社長だって?」

「男はシャブ浸けにして、使いっぱしりの金蔓に仕上げる」

「この美人は?」

「女もシャブで廃人にして、嗜虐変態に提供」

「勿体無い!!一回提供されたら、殺されるか、運良く生きて居ても、手足無くなって帰って来る」

「そうだな、前の提供女、酷い状態で帰ってきたな」

「提供前、全員で楽しんで良いそうだぞ」

「こんな可愛い無害そうな女、何でそこまで?」

「お前知らねぇのか!!この女、道場準組員の戦闘員、半分潰しやがった」

「あの荒くれどもを?」

「無害な美人に見えるが、気をつけるこった!!」

「着いたぞ!!」

「幹部の皆さんがお待ちだ、粗相するな!!指だけじゃ済まんぞ!!!」


 ワゴン車ごとリフトに載って居たようで、上昇の感覚が消えました。

 凶悪なこの男達は、生かして置くと、ろくな事しない。

「お前ら、ミネルバの盗賊より、たちが悪い、死ね!!!」

 首を捻ってやった、4人の男達は、声も無く倒れた。

「チャラ男、これを飲み込め!!」

「ん?ミア何があった?」

 ミネルバロードの毒消しは強力、チャラ男の毒(睡眠薬)の効果は、一瞬で消えました。

「ここは山下会の事務所、極端流の道場、暴力団関係だったの、その怨みで私達拉致された、イタリアンレストランもぐるだよ」


「このビルの全員と、イタリアンレストランの奴等、それと極端流の道場の全員殺して、ミネルバロードに永住する!!!」

「ミア?穏便に出来ない?」

「無理!!ここの奴等生きてると、トコトン報復して来る!!!」

「この男達の話では、チャラ男は覚醒剤中毒にして、お父さんからせびらせ、永久にお金を暴力団に貢がせる気」

「私は薬で廃人にして、手足を切り取って喜ぶ、変態親父に貢ぎ物にされる」

「そうか、そこまでの葛どもか」


「ミア、俺も連れてってくれ!!」

「勿論そのつもりだけど、永住権の無いチャラ男、連れて行ったら、どうなるか不安」

「どうなっても、後悔しない、ミアの居ないこの世界に未練は無いぞ!!!」


「・・・・・・分かった、あんまり考慮する時間が無い、取り合えずゴミ掃除するよ!!」


 幹部連中が居る、部屋のドアを蹴り開ける。

 拳銃を構えた、爺達が待ち構えていました。

 一人見知った顔のジジイ「暴力団事務所で法務大臣の大口さん、何してるの?」

「お前を切り刻んで、玩具にする為に居る」

「変態親父はお前か!!!」

「威勢の良い嬢ちゃん、動くと撃ちますよ」

「こんな町中で発砲すれば、通報されて、大事になるよ」

「このビルの防音は完璧だ!!」

「そう?じゃぁ安心、皆死んで!!!」

 スレドの爪を連投、私の行動は全く見えて居ない様子、5人の爺ども火を吹きながら、ご臨終。

「さて、大口大臣さん、あんたは今まで玩んで殺した女達に、あの世で詫びなさい」

「ぎゃぁ!!!!」一瞬で両手をもぎ取った。

 ご丁寧に痛み止の覚醒剤、注射器が用意されてる。

「ジジイショック死するなよ」痛み止注射してやる。

 顔を叩き、正気にさせる。

「ゆ、許してくれ!!!」

「お前が切り刻んだ女達も、許してと言っただろ」

 両脚を股関節から、ネジ切る。

「出血多量で死ぬまで、今までの行いを悔やめ!!!って死んだか」


 このビルの全員、事務員ふうの女まで、鑑定すると構成員、皆殺しにしました。

 お抱えの弁護士らしいのが、「助けてくれ、お前の罪を弁護して軽くしてやる!!」

 こんな事務所に出入りするのは、悪徳弁護士、世のため死んで貰いました。


 数分で終了。

 私、殆んどミネルバロードの住人になってる、葛ども惨殺して回っても、ゴブリン倒した程度の気分だよ。


 車内のチャラ男に残りの丸薬、毒消し、スレドの爪、ボアの種、10000Gを全て渡して、収納を空にしました。

 だって、無数の日本刀、拳銃に弾薬箱、散弾銃に弾薬箱、各99までは収納出来ました。

 最後の空きに、金塊を有るだけ収納、流石に99本は無かった。

 脇差しに短刀勿体無いけど、持てないもの、諦めましょう。


 まだ、この後、イタリアンレストランと、極端流の道場の壊滅が待ってる。


 チャラ男が軍手つけて、ワゴン車の運転してくれてる、未練たらしく、脇差しと短刀、米兵のパイナップル型手榴弾に、残りの開けて無い武器箱を載せてます。


 イタリアンレストランに到着、店内に入り見渡す、幸私達を拉致する為、客をいれて無い、事務所に拉致されたはずの、私を見て何か言おうとしてる。

 鑑定すると全員準構成員、素早く首を捻って死んで貰いました。


「チャラ男、極端流の道場何処に有るか知ってる?」

「おうっ!行くぞ!!!」

 仰々しい構えの道場、全員住み込みの準構成員、今度こそ後腐れの無いよう皆殺しにします。

 道場に入ると、見たことの有る面ばかり。

「お、女!!!ミアだったな!良い所に飛び込んで来た、叩きのめして事務所に連れて行く!!!」

「あぁ、その事務所全滅させた、一人も生きて無いぞ!!!」

「な、何を寝言言ってる?」

「私が居なくなった後の世のため、貴方方には死んで貰う、今回は手加減しないよ!!!」


 ユックリ恐怖を、感じて貰う為に、一人ずつ頭を粉砕して回る。

 情け無く、悲鳴を上げて逃げ回る奴等の、頭を消し飛ばして行きました。

 何人殺したかな、500?もっとだね、全部で1000人は殺ったかな。


「スッキリした!!快感!!!」


 パトカーのサイレンが、あちこちから聞こえます。

 アパートに帰り着き、私の部屋で今チャラ男の手を握っています。

「良い?飛ぶよ!!!」

「おうっ!!ミネルバの住民になるぞ!!!」




 しっかり握った手、そのはずだったのに、ミアは忽然と消えてしまいました。

 取り残された?

「ミア?ひでえや!!!置いて行くなんて!!!!ミア~~っ!!!!!」


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