第43話 やっぱ皆ゲーム好き

 眠れなくて悶々としていると、坂本さんが入ってきて。

「坊っちゃん、言いにくいですが、ミネルバロードのソフト5個、LV125でクリアーして頂けないでしょうか」

「えっ?坂本さん?」

「ソフトのクリアー終わったら、私と天馬を同行させて欲しいの!!」

 時間が惜しい、話ながらミネルバロード、プレイしてる。

「良いけど、天馬って誰?」

「自称天馬博士、VR装置の開発者よ」

「あいつ、天馬って名前だったの?少年ロボット作った人みたいな、名前だね」

「「1億円なんて要らない、俺もVR世界に行けるようにしてくれ」って言うのが、製作の条件だったの」

「へぇ~、装置考案した位だから、ゲーム好きなのは間違い無いね、良いよ!!」


 結局夜が明ける頃に、やっと5個LV125クリアーが終わりました。

「天馬を呼びます、同行の準備をお願いね」

 病院に来ていたのか、自称天馬博士は、直ぐにやって来ました。

 天馬は、30歳位の痩せた冴えない風貌の男です。

 ベッドを3台並べ、銅軸ケーブルを固定した俺から、端を二人に固定させ。

 昼夜逆転した、眠りに落ちます。



 いつもの薄暗い、土壁の部屋の目覚めです。

 隣で驚いたように、口をポカンと開けた、ツネオのような少年と、反対側には見た事の無い、美少女が微笑んで居ます。

「坂本さん?」「はい!!坊っちゃん!!!」

 比べちゃ駄目と思いながら、「ミアより美人だ」と思いました。

「俺は、ここではチャラと名乗ってる、坂本さんはミサで良い?」

「美紗緒って、ご存じでしたか!!はい!!ミサと名乗ります!!」

「天馬さんは、ツネオ」

「ツネオ?何で?」

「似てるから」

「別人に成れるか、良いぞツネオと名乗る」

「二人の痕跡を、この世界に残すのが今回の目的だよ、良い?」

「坊っちゃん・・・じゃなかった、チャラさん、何をします?」

「ミサ、チャラで良いよ!補正が掛かってるか、サラさんの食堂に行って、確認しよう」

「うん、チャラ、補正って?」

「ミネルバロードに受け入れて貰えたら、サラさんが二人の事知ってるはず、その確認だよ」

「俺もツネオと呼び捨てで良いぞ、早くその確認とやらに行こう!!」



「お早う!サラさん!!」

「チャラ、今日はツネオにミサと遊ぶのか!!」


 よっし!!補正が掛かってる!!!


「朝飯3人前食わせて!!」

「あいよ!!」

「チャラ、何で俺とミサの事、おばさんが知ってる?」

「補正が掛かったから、二人はこの世界、ミネルバロードに受け入れられたって事!!!」


「美味しい!!!」

「おうっ!美味いぞ!!味がハッキリ分かる!!!すげぇぞ!!!!!」

「やだねぇ、いつものポンじゃないか、大袈裟だね」

「美味くて、感激だ!!!」

「そんなに誉められたら、タダにしたくなるよ!!今日の食事代はサラのオゴリよ」

「ありあっす!!サラさん、好き!!!」

 ゴツンと拳骨が落ちた。

「悪ガキが、調子に乗るな!!」

「いてぇな!!誉めたのに」

「ませた口、きくんじゃ無い!10年早いよ」



「ツネオはこの銅の剣を装備、ミサは毒の短剣をそうび」

「それって、収納か?」

「ああ、LV15か20で出来るようになるぞ!」

「そう言えば、鑑定出来るだろ」

「チャラ、鑑定出来るわ!!」

「鑑定なんて、無いぞ!」

「ミネルバロード、プレイした事ある?」

「私、ゼンに岩を砕いて貰う所まで、プレイしたわ」

「俺は、やった事無い」


「違いは、そう言う事だね、ツネオは目覚めたらプレイしてみな、鑑定早く覚えられる」

「ワーム狩りに行くよ!!」

「ワームね!!楽しみ」

「ミサこれ、俺が不要になったスレドの爪カートリッジ」

「チャラ、俺には?」

「これ、アダンの実のカートリッジ」

「チャラは無くて、大丈夫?」

「俺は、収納から直接出す」

「ふ~ん、収納早く出来るようになりたい!!」


「同行で発生した収納は、現実では使えんぞ」

 目覚めたら、大急ぎ装置に掛からないと。

 ミサが、何かつぶやいてる。


 二人のLV上げ、ワーム狩りに向かいます。


「わっ!!すげぇぞ!!!」

「ワームって、こんな気持ち悪い動きするのね!!!」

 ミサのスレドの爪は、ワームにオーバースキルっぽい、一発で燃え上がって、消滅してる。

 アダンの実なら、2個必要なのに。

 ツネオすげぇ嬉しそうに、倒してる。

 ミサが、LV4に、ツネオがLV3になったので、グラスドッグ狩りに変更。


「こっちの方が、戦ってるって感じね!!!」

「わっ?はえぇ!!!」

 ミサは気持ち悪いワームより、グラスドッグの方が戦い易いみたい、嬉しそうに毒の短剣を振り回してる。

 ツネオは、グラスドッグの動きに、振り回され、剣は空を切るばかり。

「ツネオ、アダンの実3個握って、グラスドッグに投げろ」

「ん?、とりゃぁ!!!」

「こりゃ良い!!!上手く倒せた、チャラ、サンキュー」


「戦いの感覚掴めたら、終了にするよ」

「「いや!!もっと戦う!!!」」

「インストールしたら、LV1から始まる、今の状態が殆ど無駄になるぞ」


「それもそうか!!、起きてインストールが先決だな」

「ミサ、ソフト何で5個?2個で充分でしょう?」

「チャラが、ミネルバロードに永住しちゃうと、誰もこの世界に入れる鍵を作れない、3個は社長が認められた方に、使用します」


 親父が認めた?

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