雪降る夜
雪というのは不思議なものだと思う。
深々と降り積もる雪は、あらゆる音を吸収する。
深々と降り積もる雪は、あらゆるものを明るく照らす。
深々と降り積もる雪は、あらゆる気持ちを温かく包み込む。
静かで明るくて温かな夜のほとりで、君が祈るように合わせる手袋を、僕はじっと見つめる。
「好きだよ」
僕がそう言っても、君は祈ることをやめない。
僕の言葉も雪に消え入ってしまったのだろうか。
そう思った時、君は僕の頬にキスをした。
世界がまるで昼間のように明るくなった気がした。
僕の心は、不思議なほど温かかった。
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