アデル
「やまないね」
雪の多い冬だった。
その日は特に大雪で、堆く降り積もった雪に閉じ込められてしまいそうだった。
暖かい部屋は、コーヒーの香りとアデルの歌う「Turning Table」で満ちていた。
今でもあの曲を聞くとあの日のことを思い出す。
暖かさと、悲しみと、コーヒーの香りに満ちたあの日のことを。
そして僕は決まって、思い出と一緒に閉じ込められてしまいたくなる。
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