前へ

僕は、前に進みたかった。

休むことなく歩いてきた。


ある時は、夢に近づいた気がした。

ある時は、ひどく無駄な気がした。

ある時は、自分が進んでいる方向が「前」なのかわからなくなった。


前ってどっちだ?


信じて進んできた道は、本当に僕を「前」へと導いていたのだろうか。

もしかしたら、ひどく見当違いなところへ僕は来てしまったのではないだろうか。


前ってどっちだ?


そもそも、「前」には何があるのだろう。

夢だと信じていたが、本当にそうなんだろうか。


夢ってなんだ?


僕は「前」を示す方位磁石が欲しい。

僕は僕が進むべき方向を「前」と呼びたい。

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