第16話 激情~仕置き~Ⅸ

竿の根元を細紐で縛られ、英治は竿に龍三の象徴である龍を彫られていた。


彫り始めてから3日間、トイレと食事時間以外を喜多嶋の家の中にある6畳間の日本間で過ごした。


薄い蒲団がひかれ、その表面は英治の竿から発されたであろう、血飛沫が飛んでいた。


そして、4日目の深夜 辰五郎と英治、そして龍三と大介の4人がこの6畳間に集まってきていた。


「あとは、朱を鱗に入れていけば、英治君の竿に彫った龍は完成だ。」


「先生、4日間お疲れさまでしたね。ところで、先生にワシからお願いがひとつあります。」


「何ですか?龍三さん。」


辰五郎は龍三に言った。


「いや、簡単なことですよ。コイツはワシから受けた恩義を省みず、こともあろうにワシの倅の大介とちちくりあいをしやがってですな…」


「まぁ、その落とし前と言うか、ケジメをつけさせたいんでさぁ。」


「ほう、ケジメねぇー、龍三さん。で、どんな?」


「はい、龍を彫ってもらったコイツの金玉の裏側の蟻のとわたりあたりから袋裏にかけて、文字を彫ってもらいたいんですよ。」


「それは、面白いですなぁ!龍三さん。で、その文字とは?」


「龍三の性奴隷ですよ、先生」



その言葉に英治と大介は言葉を失った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る