第14話 激情~仕置き~Ⅶ
彫辰 西山辰五郎は本名ではなく、先代の初代彫辰の名前を継いだものである。
辰五郎は先代辰五郎こと西山龍吾(にしやまりゅうご)が男好きであることを見抜くと、言葉巧みに取り入り、弟子となってその体に師匠の先代から九紋龍史進の二重彫りを彫ってもらい、その後二代目彫辰を名乗るようになってからは、自分の弟子に体を預け、どんぶり彫りにしていた。
「いやぁ、先生の九紋龍史進は見事ですなぁ!惚れ惚れしますよ。」
「何をおっしゃるんですか、龍三さん。あなたの背中の一匹龍もさすが名人と謳われた初代彫辰の手によるものだけはありますよ」
辰五郎と龍三は互いの体に彫られた刺青を褒めあった。
「下絵は書いてきましたので…こんな感じでどうですか?」
辰五郎の書いてきた下絵を見た龍三は、うんうんとうなずきながら、こう言った。
「いいでしょう、彫辰師匠! 存分に腕をふるって下さい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます