巧みな構成と絶妙なクロスオーバーで綴られる、壮大なダークファンタジー!

空が落ち、崩壊に向かう世界。棺を背負う少女ナージェと棺に眠る異形のイェンが、世界を元に戻すために旅を奇妙な街を旅して回る、SF風味もある壮大な作品です。

イェンの視点で綴られますが、時に暴走気味になる彼のナージェへの愛情表現は、
ダークトーンな物語の清涼剤となっています。

それぞれの街に住む人々の暮らし、彼らの過去を知る中で、崩壊に向かう世界やナージェそのものの秘密も少しずつ明らかにされていくストーリーに、ついつい次話へ次話へと手が動いてしまいます。とても巧みな構成。

作者様の既存作とのクロスオーバーもお見事。知っている人は「うおおお! ここでそれが出てくるのか!」となり、とはいえ知らない方でもすんなり読める、そのサジ加減が絶妙ですね。

最後の最後まで結末の読めない重厚なファンタジー、ぜひご一読ください!

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