失われた『本物の空』を求めて、少女ナージェと異形の怪物イェンが旅をするーーまず最初のプロローグがとても印象的。色んな国へ旅を続けるうち、世界の全貌が明らかになるくだりは、作者の力量の深さを思い知らされる。秀逸な構成力に魅了されて、読み進めるうちに、どこまでもこの世界に身を浸していたいと思うはず。一度読めば、ふたりの旅の行方を見届けたくなること間違いなし。
過不足のない描写もさることながら、濃ゆい世界観と独特なキャラクターがぐんぐんと物語へと引っ張ります。この物語を味わうために、少しでも時間を作る事をオススメします。
最初に手に取ったファンタジーというのは、こう言った物語だった気がする。海外で出版され、いま日本で翻訳されたような、そんな瑞々しさと、歳を経たワインのような魅力が混在する不思議な物語。私は、それ…続きを読む
崩壊した世界。それを描いた冒頭部分から一気に引き込まれていく。 歪んだ舞台に、歪んだ登場人物が巧緻な文章で描かれ、上質な世界観を築いていく。 ナージェとイェンはどこに向かうのか?そもそも彼らは…続きを読む
何一つおなじはないお人形さんのように時を止めたナージェと、異形で歪んだイェンアンバランスでありながら、ピースを一つ一つ嵌め込んで進んでいく柔らかいタッチで描かれるダークファンタジー世界観、…続きを読む
もっと見る