空が落ちた世界にて。

 空が落ちて大地がバラバラに砕けた世界。
 時を止めた少女ナージェは、世界を壊した影王を追い求めて世界を旅します。水底に沈んだアトランティス。子供だけのネバーランド。
 聞きなれた理想郷の数々は、どこか歪で不気味な暗さをもってナージェと読者を迎えてくれます。
 そして、語り手のイェン君の歪さがまたたまらない……。
 彼は、ナージェのために影王が空を落としたと言っているのですが――
 

 淡々と、ただ淡々と、美しくも暗い世界観と、どこか悲壮感が漂う歪な物語が読者であるあなたを魅了していくことでしょう。はてさて、暗くも歪な物語はどこへ向かっていくか。この先が楽しみでたまりません。

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