グラフィティ〈最後の一葉〉を巡る狂騒

しっかりとした歴史背景が物語に説得感を持たせ、高いリーダビリティが物語への没入感を誘う、これはまさに傑作です。
いやぁ、面白い！　素直に面白い！
読み出したら止まりませんでした。
私は素直にこの物語から、あっという間に「時間」を盗まれた訳ですが、盗まれたのにとても心地良い。これはそんなお話ですよ。
皆さんも是非、この素晴らしい体験をしてみませんか。

大人たちの遊びに振り回される若者。
しかし、そこから物語が始まる、という事もあるらしい。

手にした物は瞬く間に熱を失ってしまうかも知れない。
本当に価値のあるものは自分にしかわからない。
ちょっとほろ苦いコーヒーのようだけれど、悪くない。

とても良い気持ちに、なれます！

ホームズが引退して暇になったワトソンが、Ｏ・ヘンリーの「最後の一葉」の本物を見るために船旅に出る。目指すはニューヨーク。

最後の一葉は壁に書かれた絵。つまりは世界初のストリートアートか？
街には、あと五枚の画家ベアマンの葉の絵が残されているという。
歴史的価値が出るのではと踊らされた人物たちの、グラフティを巡る狂騒。
ワトソンは無事に「最後の一葉」を見ることが出来るのだろうか。

この話には、ルパンも、なぜかジョン・タイターも、これまたなぜかワナビーも登場する(笑)テンポよく色んなパロディが散りばめられた粋な作品。

サクサクっと百年ちょっと前にさかのぼってみてはどうだろう。
あ。覗き見た…続きを読む

あっという間に読んでしまい、読了後、すがすがしいような気持ちに
なりました。

創作上の数々の有名人を各種とりそろえ、展開される物語は的確に
腑に落ち、くすりと笑えるセリフがちりばめられています。

英日翻訳の教本で見ただけでは、O・ヘンリーを読んだ、ということ
にはならないなと思いました。

もっと続いて欲しいと思いました。