【本物のSFマエストロの仕事】堂々たる正統派サイバーパンクサスペンス!

■中村氏は非常に骨のあるクリエイターである。それは氏の作品を某サイトでレビューしたことがあるので承知している。
■氏について一つ言えることは「SF とは何か?」ということを理解し強いこだわりを持って書いているということである。
■『作品へのこだわり』それはクリエイターなら誰もが持っているものである。だがそのこだわりを第三者に対して明確に楽しめるものとして作り出すのはそうそう簡単なことではない。
■多くの場合、そのこだわりを紙面上の作品として形成する段階で技術面や知識面などでこだわりを形にしきれないことが往々にして起こるからである。
■だが中村氏はその自らのこだわりを丹念に形にしていく。そしてその努力が形になったのが本作品である。
■本作はサイバーパンクのグローバルスタンダードとも言える電脳世界に、まさにハリウッド映画のようなサスペンス感溢れるハードボイルドワールドとして描いてみせる。そしてその最高の舞台の上で私立探偵「ジャック・マーフィー」と、バディである電脳人格「キャス」の絶妙なコンビネーションを展開して見せるのである。
■これはもうひとつのSF マエストロの仕事である。
■作品におけるこだわりの数々を是非堪能してもらいたい。

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