電脳猟兵×クリスタルの鍵

作者 中村尚裕

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★★★ Excellent!!!

サイバーパンクという言葉を知ったのは、高校生の時に攻殻機動隊のマンガ版を初めて読んだ時だ。語感からして凄くカッコ良かった。

そう。カッコ良いのだ。
本作『電脳猟兵×クリスタルの鍵』を一言で表すならその言葉が一番あう。

舞台設定、出てくるガジェット、キャラのセリフ、それら全てに知的かつ危険な匂いがして、そそられる。

今の時代、今の自分より、背伸びした世界を体験させてくれるーーサイバーパンクの醍醐味が詰まった作品のように思う。

例えば、人格を備えたナヴィのシステムだが、Siriやアレクサの超絶進化系みたいなものだと思うと想像しやすい。この世界と物語は、空想の産物などではなく、現代と地続きだと捉えれば一段と濃厚な読み味になる。

この手のジャンルについては、ハヤカワから出てる作品をいくつか読んだ程度なので偉そうなことを言えないかもしれないが、個人的に本作はサイバーパンクのイメージを真正面から描いていると思う。

サイバーパンクを知らない人に対して、こういう作品だよ、と言えるような正統性を備えている。

とにかくカッコ良い。その一言に尽きる。
おススメです。

★★★ Excellent!!!

■中村氏は非常に骨のあるクリエイターである。それは氏の作品を某サイトでレビューしたことがあるので承知している。
■氏について一つ言えることは「SF とは何か?」ということを理解し強いこだわりを持って書いているということである。
■『作品へのこだわり』それはクリエイターなら誰もが持っているものである。だがそのこだわりを第三者に対して明確に楽しめるものとして作り出すのはそうそう簡単なことではない。
■多くの場合、そのこだわりを紙面上の作品として形成する段階で技術面や知識面などでこだわりを形にしきれないことが往々にして起こるからである。
■だが中村氏はその自らのこだわりを丹念に形にしていく。そしてその努力が形になったのが本作品である。
■本作はサイバーパンクのグローバルスタンダードとも言える電脳世界に、まさにハリウッド映画のようなサスペンス感溢れるハードボイルドワールドとして描いてみせる。そしてその最高の舞台の上で私立探偵「ジャック・マーフィー」と、バディである電脳人格「キャス」の絶妙なコンビネーションを展開して見せるのである。
■これはもうひとつのSF マエストロの仕事である。
■作品におけるこだわりの数々を是非堪能してもらいたい。

★★★ Excellent!!!

実を言うと、このレビューを書いている奴はSFというジャンルが苦手である。
苦手どころか、かなり苦手である。
だって、理解すんの難しいんです。世界観とか、用語とか。
しかし、この作品は不思議なことにその「苦手」とやらを感じさせてくれない。「苦手」を感じる以前に、するするとストーリーを楽しめてしまう。
ストーリーだけじゃなく、個性あふれる強いキャラクターたちと人間よりも人間くさく描かれる疑似人格たちのかけ合いも、魅力にあふれている。

作者が渾身を込めて描くであろう、そんな彼ら&彼女らがそれぞれ駆け抜け、行き着く先を、最後まで見届けたい。