文字にzip圧縮された脅威の映像データ。その先にあるのは――【映画】

【CAUTION!!】
本作は文字列で構成された一般的な小説ではありません。
文字に映像データを圧縮させた特殊情報媒体です。

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僕は文字を読んで、風景が、人が、動きが伝わる小説が大好きです。

読んで――伝わる。
読んで――感じる。

本当に気持ち良いですよね。
伝わる事こそが、活字の真骨頂だと思います。

「文字を読んで、その場面を思い浮かべる」
これこそが、活字を読む際に得られる《最高の快感》だと思っていましたが
この作品を読んで、それは間違っていた事に気が付きました。

この感覚を遥かに上回る作品があったのです。
「電脳猟兵×クリスタルの鍵」
一文字一文字に《映像データが圧縮》されています。
マジです。

その映像データは……まるで映画です。

飛び散るガラスの煌めき
街のネオンが放つ霞むような夜の瞬き
主人公とすれ違う一般人の様子すら、仔細に描かれ―—
緊迫するシーンではスローモーションで再生されます。

マジです。ホントですw


脳内で映画の様に再生される理由は恐らく「計算されたカメラワーク」

練り上げられた全体像。
映画のように映し出す視点。

この2点が主軸となり、圧縮データが詰められた文字から再生される
映像は押井守監督が作った、近未来の公安部隊が活躍するあの作品のそれに
酷似すらします。



ただ、圧縮されたデータを再生するには
①データの解凍
②再生アプリケーション
が必要になるのも事実。


①データの解凍→少しばかり「ゆっくり」読む。焦らないで。
②再生アプリケーション→ガンアクション、諜報、潜入モノが好きな人なら
あなたの脳内には既に用意されています。ばっちりです。

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さぁ《映画》を見る準備が出来た方は、是非お進みください。

文字に圧縮された新次元映像空間へ、ようこそ。

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