和史擬人伝・撚！

人類の歴史は、その発生と同時に始まる。しかし、我々は記録として残っているものしか知ることはできない。しかも、その一部ですら、発見されなければ埋もれたままとなってしまう。そして、発見した記録には異なる文明の存在も記録されていることがある。だが、その記録はそこで途絶える。
文明もまた、生きている。死を迎えた文明の記録は、生き残った文明によって失われてしまう。
破壊と再生。文明はそれを繰り返し記録していた。
生者の記録が歴史となり、連なりながら人類全体の歴史を作っているのだろう。
その中にあって謎に包まれた記録に救世主伝説がある。数ある文明の終わりと始まりに現れるその伝承は、人類共通の記録だった。

救世主とはいったい何者か。

人類にとって、その命題を解き明かすことは不可能に思えていた頃、一つの…続きを読む