概要
東北の剣豪。蝙蝠の如き老剣士なり。
松林無雲斎。
夢想願流の開祖であり、仙台藩の剣術指南。
――この老剣士。女や子どもにまで剣を教える奇人なり。
廻国修行の剣士・志乃田兎角はこの剣士を破らんと、道場の門を叩くのだが――
夢想願流の開祖であり、仙台藩の剣術指南。
――この老剣士。女や子どもにまで剣を教える奇人なり。
廻国修行の剣士・志乃田兎角はこの剣士を破らんと、道場の門を叩くのだが――
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『剣客商売』の再来とも言うべき珠玉の短編
まず一目でわかるのは、戦闘の描写のテンポと濃密さ。
すぐ耳元で剣風と剣戟の音が聞こえてきそうな迫力感は、たしかな知識とこだわりなくして作れないリアリティを生み出しています。
それも、ただのチャンバラに終始するなく、その身体の動きや足さばきからは剣士たちの思考や意図といったものが感じられます。
他の追随を許さない、一足踏み込んだ描写の数々は、読んでいるだけでさながら時代劇の殺陣のような情景がすっと頭の中に流れ込んでくるかのようです。
そうしたリアリティの土壌あればこそ、フィクションも輝きます。
飄々とした剣術指南、無雲斎とその彼を狙ってやってきた兎角のメインふたりはユーモアを持ちながらも妖…続きを読む - ★★★ Excellent!!!柳生十兵衛に続き、超獣大陸先生がまたまた放つトンデモ剣豪伝奇‼︎
口惜しい――私は実に口惜しい。
なにが口惜しいか。それはこの小説の面白さがである。
小説を書く人間の端くれとして、私はこの小説に激しく嫉妬させられた。
「柳生十兵衛――心眼の太刀」において剣豪・柳生十兵衛の痛快なる活躍を活写した超獣大陸先生は、間を置かずに公開したこの小説で、またもや剣豪小説の魅力に溢れた快作をものしてみせた。
文量は「柳生十兵衛」よりもいや増して、面白さの密度はけして前作に引けを取らない。否、長ければ長いほど抜群に面白くなるのがこの作者の特徴なのである。
本作に登場する剣豪は松林蝙也斎。徳川家光の御前試合において「蝙蝠」と称された剣豪だが、この物語の主人公は蝙也斎…続きを読む