大友宗麟になったので天下統一は諦めました ~戦国時代破壊記~

作者 黒井丸@旧穀潰

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★★★ Excellent!!!

 突然タイムスリップして大友宗麟に憑依した「歴史転移モノ好きの建設業者」な主人公と、その家臣に憑依した「歴史マニアで郷土史の専門家」な少年が、「生き残り」と「生活改善」と「後世での名誉回復」をかけ、「謀略」と「文化破壊」と「歴史改竄」に勤しむ物語。

 舞台の中心地は現在の大分県にある豊後国。
 周囲を頭乱世な忠臣、軽々に反乱する逆臣、史実での敵、信頼しきれない取引先、純粋な反社会勢力などに囲まれた主人公達が、未来の技術や歴史の知識を武器に、陰湿な謀略で立ち向かいます。
 大分県関連のローカルな史料にも基づいたり基づかなかったりもして、新説やフィクション要素もどんどん投げつけられ、読んで楽しく大友宗麟の好感度が上がるif歴史エンタメです。

★★★ Excellent!!!

 なんの因果か逆行転生しかも北部九州に名を轟かせる大友の宗麟公と言う絶好の立場に降り立つ主人公とその小姓に憑依する豊後軍記マニアの少年軍師。
 定番ならば時代を先取りした富国強兵を実行してサクサクと領土を切り取り天下を征する流れだろう中、彼と少年軍師は「そんな単純なワケないだろう!陣取りゲームに熱中したって国富と民力が枯渇している戦国時代にそんな事やっても自転車操業の地獄になるだけだ、やるべきはひとつ!国を民を豊かにするために海から利を稼ぎ出すのだ!!」
 倭寇や南蛮船が持ち込む財貨を口を開けて待つなどとまどろっこしい事などやらず、数年を掛けこの時代でもやってやれない技術革新を成し遂げると彼らは大海を目指す!16世紀の半ばに黒煙を吐き出す鉄船が波を切り開き万里の波濤を花杏葉の大友の旗が東奔西走、さまざまな文物が時代を先駆けヒノモトに流れ込む。それらひとつひとつが大友の領域を強靭にして、波及するように内地の過酷な戦国レースもバタフライエフェクトの如く崩れ始める。
 積み上げた財は領内の内需拡大と工業化に注ぎ込み、瀬戸内航路を押さえる以外は本土に一切干渉もしないが干渉される事がない様ほどよく戦火が燻るように立ち回る。産業育成 流通確保 情報促進 無ければ作れば良かろうの精神でかっ飛ぶ愉快な大友主従の戦国時代のスクラップビルドの一大絵巻が今 鮮やかに描かれて行く!!