概要
断罪の天秤が導くままに、彼女は殺戮を繰り返す。
「お前たちは滅ぶのだ。神の慈悲なく、何の理由もなく──」
しかし見えざるは大いなる意志。
やがて死の女神ウィヌシュカは己に問う。
「神とはなんだ。女神とは。私は──」
北欧神話をベースにしたダークファンタジー小説。
苦悩するウィヌシュカが選び取る未来とは──。
────主要人物紹介────
ウィヌシュカ/死を司る銀髪赤眼の女神。
デスサイズを振るい無数の命を刈り取る、冷酷無比な断罪の使徒。
リュイリィ/転生を司る女神。
小柄な躰に不釣り合いな大きさの水瓶を抱え、魂の核を収拾する。
ライラ/再生を司る黒髪の女神。
濃紺のローブに身を包んだその出で立ちは女神よりも魔女
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!女神たちの懊悩が世界を変える、創作神話ダークファンタジー
神とは何か、女神とは何なのか、私とは……死を司る銀髪赤眼の女神・ウィヌシュカが、世界に対して疑問と憂いを持ったときから、世界を統べる主神と呼ばれる神々に抗い、世界を創りかえていく運命の歯車が回り始めます。
転生を司る女神・リュイリィに、再生を司る黒髪の女神・ライラ、破壊を司る女神・クロードたち女神も魅力的で、次第に結束を強めていく女神たちの戦いを、流麗な文章が彩っています。特に、ウィヌシュカへ想いを寄せるリュイリィとのやり取りは、心を揺さぶる切なさと甘やかさがありました。
世界そのものに反旗を翻すような彼女たちが、どんな道のりを歩んでいくのか。創作神話ダークファンタジーの終着点を、ぜひ見…続きを読む - ★★★ Excellent!!!峻烈にして凄惨、血塗られた女神たちが紡ぐラグナロク散文詩……!
タイトル、カテゴリ、あらすじ等、どれか一つでも興味を惹かれた方には是非とも読んでいただきたい、期待をいささかも裏切らない素晴らしい作品です。
ライトな作品に人気が集中するカクヨムの傾向からするとなかなか評価されない内容なのかもしれませんが、こんな重量級の傑作が無料で読めてしまうのは本当にありがたいことです。
北欧神話に材を取った長編ダークファンタジー……と要約してしまうにはあまりに濃密で絢爛たる文章の輝き。
各話タイトルも秀逸で、読む者のイマジネーションをこれでもかと喚起してくれます。
最後に一文だけ抜粋を……↓
これは、神々の創作神話である。
願わくば、どうか傀儡たちに愛を──。 - ★★★ Excellent!!!女神は苦悩し、抗い、そして求め希う――真実の場所と己の証を
北欧神話をベースに、壮大なストーリーが展開されていく、ダークファンタジーです。
物語の主軸となる死の女神・ウィヌシュカが『この世界への猜疑』を抱いたことがきっかけで、淡々とした殺戮の日々は不穏の影を纏い、不穏の影はやがて彼女の輝きを覆い尽くすほどの闇となっていきます。
先の見えない暗黒に魅せられて物語を追っていけば、待ち受ける衝撃の展開の連続に更に深みに嵌っていく……の繰り返し。
この作者様は、物語も文章も何もかも本当に吸引力が高い!
苦悩に落ちたウィヌの痛々しさは筆舌に尽くし難いほど美しく儚く切なく、また彼女に大きく関わる他の個性溢れる女神達の思惑や、交差しては解けて散る『真実』の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!キミもお気に入りの女神さまを見つけチャオっ!
とか言いましたけど、実際にはこの物語はシリアスで重厚なダークファンタジーなんですね。
北欧神話を下敷きにした壮大なサーガ、そして女神たちのジェネシスですよ。
本格派の重いヤツはちょっと胃もたれするんで……とか言ってるおまえ、太田胃散はいいからそこに座れ。
作中に登場する“神具”なるファンタジー器官をくすぐるガジェット(というとSFっぽいですけど)や、四天王とも言うべき4人の女神たちの程よく現代ナイズされた描き方など、これはダーク&シリアスの服を着たエンタメ・ファンタジーなんですね。
それにそもそも北欧神話なんてみんな好きだろ?
千年王国の崩壊から世界を統べる主神の最期……黄昏の世界を駆け回る…続きを読む