ウィヌシュカは生命を愚弄する。

作者 睡蓮たしぎ

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★★★ Excellent!!!

死を司る女神ウィヌシュカは、厳かにしてどこか儚く危うい。圧倒的な武力と、乙女のような壊れやすく繊細な心を併せ持っている。
そんな彼女に付き添うのは、転生を司る女神リュイリィ。彼女たちの仕事は、死と転生。今日も彼女たちは、ただひたすらに魂を刈り取り、三柱の主神と呼ばれる上位の神へ貢ぐのみ。

そんな生き様に疑念を抱き始めたのは、人間である聖騎士団団長が纒う魔銀製の武具からであった。そこから繋がってゆく、竜人。そして、その他の女神らの暗躍。
生命の原木ユグドラシルに抱かれた地にて、人間界と意を異にして産まれる、女神が奉りし新世界ヘルヘイム。天界、冥界、精霊界の庇護の元にはない新しい世界で、女神たちは、新世界は、誰の為に微笑むのか。


物語は現在、第三部序章。
余りにも衝撃的かつ鮮烈な幕開けから、三柱の主神の一角が崩折れる更なる衝撃の第二部を経て、世界は如何に変容してゆくのだろう。千年王国は、必ずや崩御する。形あるものが崩れ去ったときに、世界は何を目にするのだろうか。

また、魅力的なのは物語だけではない。戦闘シーンは、キチッと爽快! 唸るデスサイズ! ミッドガルドの英雄たちの決死の抵抗! 漲る魔弓ロロノア! 詠唱を破棄! それから大いに躍動するバルムンク!


熱く滾る戦いと、深く迷い込む思想の迷宮。相反するふたつの要素を融合し、昇華させた手腕は必読!
誘われよ、神と女神が相撃つ底なしの窖《あなぐら》へ――!