女神は苦悩し、抗い、そして求め希う――真実の場所と己の証を

北欧神話をベースに、壮大なストーリーが展開されていく、ダークファンタジーです。

物語の主軸となる死の女神・ウィヌシュカが『この世界への猜疑』を抱いたことがきっかけで、淡々とした殺戮の日々は不穏の影を纏い、不穏の影はやがて彼女の輝きを覆い尽くすほどの闇となっていきます。

先の見えない暗黒に魅せられて物語を追っていけば、待ち受ける衝撃の展開の連続に更に深みに嵌っていく……の繰り返し。

この作者様は、物語も文章も何もかも本当に吸引力が高い!

苦悩に落ちたウィヌの痛々しさは筆舌に尽くし難いほど美しく儚く切なく、また彼女に大きく関わる他の個性溢れる女神達の思惑や、交差しては解けて散る『真実』の行く末からも目が離せなくなります。

迫力ある戦闘シーンも推しポイント。
特に詠唱では作者様独特のクールでスタイリッシュなルビが輝き、つい自分も唱えたくなってしまいました。


混沌を極めた世界が滅亡した先には、何があるのか?

そして闇に咲く花のように無垢ゆえに残酷な愛の果ては?


世界の終わりと始まりを目にし、新たな神話の証人となったような感覚に感動必至の、素晴らしい作品でした。





最後に…………結婚式はまだですか?(笑)

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