そして歯車は回る

少女は殺し屋に依頼する。
「私を殺してくれる?」と。

現代でも新宿や池袋と言えば人が集まり、混沌とした様相を見せる。
それは、恐らくこの先も変わらないのだろう。
少女が持ち込んだ依頼は不可能にも思われるが、そんな依頼をこなすために、アンドロイドとヒトが並んで闊歩する混沌とした街を、互いに悪態をつきながら駆け抜ける。
皮肉の応酬は非常に軽快でノリもよく、読者を引き込んで離さない。
だからといって何でもありのコメディーショーで終わるわけでもなく、中盤を越えた辺りから、それまで断片のように散らばっていた人々の過去と思惑がすっとまとまってくるのが圧巻だ。

これを読んだ貴方も、組み込まれた歯車の一つとして、一読者としての役割を果たすといい。

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