歯車のエストレ

作者 淡島かりす

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★★★ Excellent!!!

少女は殺し屋に依頼する。
「私を殺してくれる?」と。

現代でも新宿や池袋と言えば人が集まり、混沌とした様相を見せる。
それは、恐らくこの先も変わらないのだろう。
少女が持ち込んだ依頼は不可能にも思われるが、そんな依頼をこなすために、アンドロイドとヒトが並んで闊歩する混沌とした街を、互いに悪態をつきながら駆け抜ける。
皮肉の応酬は非常に軽快でノリもよく、読者を引き込んで離さない。
だからといって何でもありのコメディーショーで終わるわけでもなく、中盤を越えた辺りから、それまで断片のように散らばっていた人々の過去と思惑がすっとまとまってくるのが圧巻だ。

これを読んだ貴方も、組み込まれた歯車の一つとして、一読者としての役割を果たすといい。

★★★ Excellent!!!

「アンドロイドと人間の間に生まれた存在」。
そんな都市伝説と思われる少女が現れ、殺し屋に依頼をする。

「全員口が悪い」のタグは伊達ではない(笑)。
決して、言葉遣いが粗野とか下品とかではないんですよ。
依頼人も、殺し屋も、情報屋も、みんな
センスよさそうな語彙で皮肉を言い合っていて、
会話が洋画みたいでカッコいいです。

物語の全ての歯車が噛み合った瞬間の興奮!
面白かったです。

★★★ Excellent!!!

様々な人種が入り混じり、更にアンドロイドとしての生き方も定着している未来の東京。
殺し屋・『カラス』の元に現れた少女・エストレの依頼は困難極まるものだったが、父親が差し向けた追手によってアジトは崩壊。後に引けなくなった『カラス』とエストレは手がかりを求め、シンジュクやイケブクロをさすらう事に。
ドライブ感覚でユニークな登場人物達やストーリーを追うも良し、作者はIT関係のお仕事をされている事で、ネットの未来像と人類の描写を楽しむも良しの、盛り沢山なハードボイルドSF。

★★★ Excellent!!!

アンドロイドと人間の間に生まれた個体、歯車で威力や銃弾を変えられる銃。奇想天外なアイデアだが、その存在をしっかりとした設定が支えている。
登場人物は揃いも揃って口が悪い。しかし、内面はアンドロイドであろうと不思議な慈愛に満ちている。派手なアクションや研ぎ澄まされた会話のやりとり。
その中で、己の存在を信じて立つ主人公エストレの姿は、凛として美しい。精巧な歯車が噛み合ったように、物語の設定が見事に噛み合って回る、その素晴らしさにも、喝采を。

★★★ Excellent!!!

※chapter.8時点でのレビューです。

月並みに言って、涙あり、笑いあり、アクションあり、ハードボイルドあり、毒舌あり、雰囲気あり、センスあり、遊びあり、ネタあり……

月並みに言えません。

活字でやるエンターテインメントのすべてが、ごった煮で煮えくり返って、噴きこぼれんばかりの勢いで迫って来る、強烈な作品です。何がいいって、文章から、作者がノリノリで書いている快活感がひしひしと伝わってくるところです。

エンターテインメントはこうでなくてはっ!!

とりあえず、読んでください。
ぼくはお金払ってでも読みたいです。


※完結まで読んだので追記。

最後の最後まで、息つく暇もなく楽しませていただきました。やはり、エンターテイメントはこうでなくてはっ!! という作品でした。

とりあえず読んでいただきたい。
ぼくは仮に売られていたとしても買いたいです。