百魔剣物語——聖女と死神と欲望の魔剣——

作者 せてぃ

17

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★★★ Excellent!!!

滅びた王国が遺した、力を持つ百振りの剣。
これは、それらに関わってしまった、関わらざるを得なかった少年少女たちが、それぞれの過去に裏打ちされた信念を持ち、現実を見据え、時に弱気になりながらも圧倒的な力に対抗する物語。

常に勢いと迫力、そして緊迫感を伴う熾烈な争いの戦闘描写は圧巻で、読者の手に汗を握らせ、次のページへと読者を急かす。
その一方で描かれる日常風景は穏やかで、「こんな日々がいつまでも続けばいいのに」と溜息をつかずにはいられない。
裏で蠢く陰謀や思惑は決して一つではないが、戦いに投じる彼らを見守る人々が、彼らは孤立無援ではないのだと教えてくれる。

彼らが選ぶ結末を、そして掴む未来を。
どうか貴方にも見届けてほしい。



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最後まで読んでから最初に戻って、クラウスさんやシホちゃんが若いな! って思いました(笑)

★★★ Excellent!!!

古代文明が残した「魔剣」を軸に展開する、三人の少年少女を中心とした戦いの物語。聖剣ではなく魔剣、そこに秘められた禍々しさと、それに翻弄される人間性の対比が、落ち着いた筆致で描かれていきます。
長い作品ですが、この物語の主要人物であるリディア、クラウス、シホの三名のキャラクターを飲み込んでしまえば、あとは毎日の楽しみとしてするすると読み進んでしまいます(個人的に、そんな読み方でした)。第三章の終局以降、物語は核心に迫り、この三者の関係が変わると、あとは最終章までフルスピードで駆け抜けていきます。明かされる過去、葛藤、魔剣の秘密。最後の決着については、ほんとうにもう、祈るような気持ちで見守るしかありません。
基本的に過酷なお話ですし、登場人物たちはいろいろな意味で深く傷つきながらも戦うことを強いられます。その意味で残酷なお話ではあるのですが、そこには不思議と、見守るような暖かな視線のようなものも感じます。読み終えてみると、その暖かさこそが、この作品の特徴のようにも感じます。
思えば作品には複数のメンター(庇護者)が登場します。ラトーナ、フィッフス、そしてシスター。その配置の細やかさ、気配りのようなものが、作品の暖かさを生んでいるのかもしれません。それがとても、心地よい。
主人公格の三人を、読み手としても応援したくなる、暖かな作品でした。

★★★ Excellent!!!

題名が示す通り、これは剣を巡る物語である。
魔剣と呼ばれる百振りの存在を封じるために三人の若者が、剣を握る。
それぞれが握る剣の形も理由も異なるが、彼らの中には通じ合うものがあり、それが戦いの中で次第に繋がり合って行く。

三人のうちの一人、寒村で暮らしていたシホは、その力を見出されて剣を封じる巫女となった。
生まれ持った力は強いが素朴な村娘に過ぎない彼女。物語の序盤では周囲のめまぐるしい情勢や次々起こる問題に萎縮している様子すら伺えたが、その純粋なまでの優しさは彼女の内面の成長に伴って、それこそひと振りの剣のように強靭となる。
思い切りの良さとひたむきな言葉。実は誰よりも強いのではないかと思わせるには充分である。

百の魔剣を巡る戦いがどのように変化し、そして三人を成長させていくのか。
今後の展開が非常に楽しみである。

★★★ Excellent!!!

 第二章まで拝読してのレビューです。

 魔法の力で世界を統一した古の王国が、力の象徴として百振りの魔剣をつくりだした。
 やがて王国が滅んでも、魔剣は失われなかった。
 あるものは勇者の剣として、あるものは暴君の手元に渡り、伝説となった。

 その伝説をも忘れ去られようとしている今、三人の若者が出会った。
 流れの傭兵、神託により選ばれし聖女、聖女を守る騎士。
 それぞれに秘めたる過去、思いを抱きながら出会った彼らは、すさまじい力を持つ魔剣を封印するという目的のもとに戦う道を選ぶ。


 魔剣の力、そして魔剣を求める者達とのすさまじい戦いは、まだ始まったばかりです。
 登場人物達の心の動きと、息をのむ白熱した戦いが作品の魅力を引き立てています。
 これからどのような戦いが、物語が、紡がれていくかとても楽しみな作品です。

 個人的には苦労人の騎士、クラウスがこれからどのような苦労を、いや、戦いを勝ち抜いていくのかに注目しています。