たくさん出会おう、新しいモノガタリに。新しいキモチに!

名前:ココロ ツタエ
通称:ツタエちゃん
誕生日:2月29日
座右の銘:念ずれば通ず
紹介文:
 彼女が何者なのか、誰も知らない。彼女自身でさえも。
 覚えているのは、誰かが彼女を作ってくれたこと。名前を付けてくれたこと。彼女はその人を先生と呼んでいたこと。

 彼女の鞄には、いつもたくさんのモノガタリが詰まっている。
 彼女の仕事は生まれたモノガタリを集め、必要としてくれる人のところへ届けること。それから、モノガタリを読んだ人のキモチをモノガタリの生まれる場所へ届けること。

 彼女の鞄には、いつからあるのか分からない、きっと一番古いモノガタリが一つ残り続けている。
 それがどうして生まれたのか、どうして鞄にあるのか全く分からない。

 けれども彼女には、そうだと思っていることがある。
 そのモノガタリは、きっと先生が誰かに、或いは誰かが先生に届けるために生み出したものなのだ。

 彼女には、その中身を見ても意味が分からない。それを理解するココロが欠けているからだ。
 もしも先生を、或いは相手の誰かを見つけることが出来たら、その時きっとココロも戻るはず。

 彼女は思う。

 でも私は、先生のことも相手のことも知らない。それでどうやって探せばいいんだろう。

 ある時気付いた。

 そうだ。モノガタリにたくさん出会って、私の持っているモノガタリと同じキモチになるものを探せばいい。

 それからそれが、彼女の仕事になった。
 だから今日も、彼女は問う。モノガタリを生んだ人にも、キモチを抱いた人にも。

「もっともっと、新しいモノガタリを生みませんか? もっともっと、新しいキモチを知りませんか?」

 ああ、彼女が来たようだ。そうだね、もっと生み出そう。もっと知ろう。
 トリに乗って元気に去っていく彼女の背中を見て、いつも思う。
 モノガタリを見て、キモチを抱いたのだから、君にももうココロは備わっているはずだよ。
 君の仕事は、ただの配達人じゃない。ココロとココロを伝え合っているんだよ、と。

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