仮想領域犯罪捜査官――通称、転送捜査官。VRの世界に蔓延る、悪を追え!

 これは、ゲーマーには堪らない作品である。

 舞台は、近未来の日本。この世界には数十年前日本で起こった、政府主導による技術のブレイクスルーによってもたらされた、高度なVRが普及している。その高度ぶりは、まるで魔法の世界だと、感嘆を以って称される程。その魔法のようなVR世界での犯罪者を追うのが、仮想領域犯罪捜査官――通称、転送捜査官である主人公、真崎(まざき)涼也(りょうや)の役目だ。あやゆるゲームジャンルにおいてトップレベルの腕前を誇る彼に、捕らえられない者などいない。

 だが、待機センターと呼ばれる場所からの通報を受けた彼は……。思いもよらない大事件に、身を投じる事となる。そう、それはまるで、「電脳の神」とでも呼ぶべきなのか異形の存在と、戦わなくてはならないような。

 息もつかせぬ疾走感溢れるアクションに、不気味な低温を孕みながら、巨大化していく謎。そして、現実とVRの世界が、どんどん曖昧になっていく緊張感――。それらが絡み合う先に待つ、結末とは。まあそこは、読んで確かめてみて欲しい。損はしない筈だ。ゲーマーなら、尚の事。

 灰舞う電海の果てに、最高の「成績発表(リザルト)」が待っている。

 高がゲームと侮るなかれ。突き刺すようにクールなアクションSF、是非皆様も、ご一読。

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