読み始めたら「ログアウト」できない面白さ

ここはいったいどこなんだ?という舞台から始まるこの物語は、考える間も無く圧巻の戦闘シーンへと移る。
そして始まる戦闘描写はスピード感と臨場感にあふれ、眼前に映像が広がるだけにとどまらず、音までも聞こえてくるよう。
おそらく読者は、あたかも自分がその世界にいるかのような錯覚にとらわれるはずだ。

どうやら舞台は仮想現実の中。そして主人公真崎涼也は、その中で無敵の力を発揮して対象を捕縛する「転送捜査官」。
そんな彼の戦闘シーンにのめり込んで読んでいたかと思えば舞台は一転して現実世界へ。
そして読者は主人公と一緒に、一気に現実世界へと連れ戻される……。



さまざまな描写を巧妙に切り替える作者様の手法は相変わらず健在。いや、長編5作目にして確実にパワーアップか。
私たち読者はいつのまにか主人公と同じ目線で物語の中に入り込んでいます。

電子の海にどんな灰が舞うのか、主人公と一緒に見届けたくなる物語です。

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