恨みを「買う」ということは、つまりはこういうこと。

誰かの恨みを晴らすために、殺していくルーシーの姿は、淡々という言葉ではとても足りない。
機械的というには、その身にまとう闇が濃すぎる。
光を背にした真っ黒な人影が、独り歩きしたようでもある。

「恨みを晴らす」という言葉には、清々しい救済のような響きがある。けれども、彼のしていることは、誰かがすがりついた救済の光にすら背を向けているようで……。

影から影へ。闇から闇へ。恨みから恨みへ。
恨みを「買う」ということは、つまりはこういうこと。
復讐という普遍的なテーマへの、一つの解がここにあります。

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