ルーシーは笑わない。悲しいからでも面白くないからでもない。

ルーシーと呼ばれる男はただひたすら人間を殺し続けます。
闇から闇へと渡り歩きながら、ただ淡々と人を殺し続けます。
殺されるのはひとから恨みを買った人間です。
しかし読み進めていくうちにひとから恨みを買った人間とは義賊的なヒーローに殺される悪役ではないことが分かってきます。
恨みとは何か。
人は何のために生き、そして死ぬのか。
そこに意味などないのではないか。
ルーシーはけして正義ではありません。
ただ人を殺し続ける男です。
「恨まれることは恐ろしい」とか、「恨みを買った奴は悪だ」とか、そんな単純な話ではなく、同時に、復讐をするということはどういうことなのか考えさせられます。
恨みはいつまでも続くのです。
恨みのリサイクルということば、胸に刻みつけられました。

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