舞台の変化による人物の輝かせ方が巧み!数々の偉人との対戦も必見!

第一部読了時のレビューです。
こちらは「桜咲く!ハイスクール武士道」という、
作者様の作品の番外編にあたる作品ですが、
読んでいて凄いと思ったのは、現代から幕末に舞台を移したことで、
現代とはまた違う形で登場人物たちを輝かせているところです。

たとえば豪太は現代では留年していることもあり、強いけれども試合などに出れず「バカの方が目立つ」印象でしたが、
幕末ではその制約はなく、常に大暴れして強さや頼もしさ、大物ぶりを見せつけ、

田中は、現代では剣道の実力や人柄的にあまり前に出ず、他のキャラの影に隠れている場面が多かったですが、
幕末ではその時代の知識を活かして、涼介と共にこの時代での立ち回り方をリードする側に回っています。

書く側も読む側も一度「このキャラはこういう役割のキャラ」だとイメージがついてしまうと、なかなかそれを変えるのは難しいですが、
この作品では舞台を変えることで新たな一面や魅力を引き出しています。
「桜咲く!ハイスクール武士道」の時も感じましたが、
作者様の登場人物を一人一人主人公並に輝かせる筆力は本当に素晴らしいと思います。

また、幕末ものなので、当時の時代背景や事件などの時事をしっかり調べ、
それに基づいた偉人たちとの絡ませ方も巧みで、
ここまで成立させるのに、どれだけの労力を要したのか想像すると頭が下がります。
当然ながら、剣道を題材にしている作品なので、作中の戦闘描写も迫力満点!
全てにおいてレベルが高いので、読者の方も作者の方も、ぜひ一読ください!

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