お子様とご一緒に、でも一人でも楽しい

実は王の弟であると知らされた少年、アベルは親友と共に王都へ…。

小学校高学年以上くらいの少年少女を対象としたというこの物語に引き込まれていった私が、ただ一つ、不満を感じたことがありました。

それは、作品にではありません。

私と一緒にこの物語を読んでくれる、弟妹なり、子どもなり、そうした年齢の子が周りにいないということでした。

主人公アベルや、その仲間となっていく少年少女と同じ年頃の子と一緒に読めたらどんなに盛り上がっただろうに、と思ったのです。

しかし、そんな不満は割と簡単に解決しました。

読んでいる私が、「あの頃」の心を取り戻したように、ハラハラドキドキしたり、レイサーというネコ科猛獣系でチョイ悪だけどエレガントで優しいさすらい戦士な貴族(長い!)に年甲斐もなくキャーキャー言ったりと、とても無邪気に楽しむことができたからです。

青少年向けの作品というのは、読者に青少年だった頃の心を取り戻させるものなのだなーと改めて感じました。

お子様と一緒に、でも一人でも楽しい。

そんな冒険の旅をどうぞ。

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