概要
神秘の山で育ち、風の声が聞けるという15歳の王弟アベル。親友の薬剤師と、そして屈強のさすらい戦士や精霊使いの少女と共に、兄と王国の危機を救うため苦難を乗り越え王都をめざす。
※ 2020 現在、続編ともに他サイトで掲載しています。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!神話の雰囲気ただよう世界で手に汗握る冒険を。正統派、行きて帰りし物語
「さあ、今日は行けるだけ行こう、東へ。王都アンダレアへ」――第2章 旅立ち より
神秘の山で豊かな自然に囲まれて育った主人公アベルは、ある日をさかいに王都を目指す旅に出ます。兄の命を救うため、王国の危機を救うため。旅の途中、さまざな困難が降りかかります。アベルは、旅の仲間たちは、無事に王都まで辿り着けるのか。
最後までハラハラドキドキの連続で、一度読み出すと止まりません。
特筆すべきは圧倒的な描写力。緻密で繊細でありながら、映像の切り取り方が非常に巧みなので、配慮の行き届いた描写は読んでいてつかれません。
クロースアップからロングショットまで駆使したメリハリの効いた情景描写が、映像的な…続きを読む - ★★★ Excellent!!!古典ファンタジー小説を彷彿とさせる、美しく織り上げられた世界観
幼少期に患った病の治療のため、人里離れた山奥で育ったアベルディン。
彼が、自身が王弟であるとを知ったのは、王である兄が自分と同じ病に倒れたと知らされた時でした。
王へ薬を届けるため、そしてもし王が亡くなったら、その王位を継承するために、アベルは親友の薬剤師、リマールとともに王都を目指す旅に出ます。
たいへん美しく描き出された古典的ファンタジー小説です。
風景描写は圧巻で、そこには細部までしっかりと練り上げられた美しい世界を見渡すような壮大さがあります。
村や町や森や城がどこにあり、そこにどんな人々が暮らし、どんな生活が営まれているのかが、見渡す限りの情景の中から伺える、
小説で言えばトー…続きを読む - ★★★ Excellent!!!お子様とご一緒に、でも一人でも楽しい
実は王の弟であると知らされた少年、アベルは親友と共に王都へ…。
小学校高学年以上くらいの少年少女を対象としたというこの物語に引き込まれていった私が、ただ一つ、不満を感じたことがありました。
それは、作品にではありません。
私と一緒にこの物語を読んでくれる、弟妹なり、子どもなり、そうした年齢の子が周りにいないということでした。
主人公アベルや、その仲間となっていく少年少女と同じ年頃の子と一緒に読めたらどんなに盛り上がっただろうに、と思ったのです。
しかし、そんな不満は割と簡単に解決しました。
読んでいる私が、「あの頃」の心を取り戻したように、ハラハラドキドキしたり、レイサーというネ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!冒険・友情・成長、まさに王道!
物語は、主人公アベル少年の出生の秘密からはじまり、王国の危機に立ち向かわざるを得なくなるところからスタートします。
兄弟のように育った薬剤師リマール少年や、旅の途中で出会う人々、裏切られたり、仲間になったりと様々で、少年たちと一緒に旅の緊張感を味わうことが出来ます。
追手に追われる緊張感の続く旅の中、周りに見えてくる景色が鮮やかで、昔ファンタジー小説を読んでいた大人たちには、どこか懐かしい空気を感じることができる作品です。
少しずつ、仲間と心の絆を繋いでいく様子や、友を守るため(旅の目的を果たすため)にそれぞれの登場人物が奮闘する姿に成長を感じる事ができました。
作者様が高学年~とさ…続きを読む