「江戸」で生きる人達の、息づかい。人肌。笑い声。その真っ只中にいる感覚

兄を探すために江戸までやってきた、結衣。
危ない目にあう彼女を助けてくれたのは、南千住界隈で慕われ、怖れられる一癖も二癖もある男、相模。
果たして兄は見つかるのか? 兄が失踪した目的とは?
そして結衣は、江戸での暮らしの中で何をみつけ、これからの人生をどう決意していくのか。



もうとにかく、地の文、会話から匂い立つような江戸情緒が素晴らしい。
相模を初めとする江戸で生きる人たちの、粋な姿が格好良いい。
生き生きとした、江戸での暮らしが、まるでいまそこにあるようで。
気がつくと、その世界にどっぷり浸っていること間違いなし。

かと思えば、ストーリーはなかなかにシリアスでシビア。それでも、江戸の人たちはきっとその日その日を笑いながら、逞しく超えていくんだろうなと頼もしく思いながらも、でもやっぱり今よりも民衆は生も性も軽い時代。どうなるのか、はらはらしっぱなしで、続きが気になって止まらなくなります。

個人的には、結衣ちゃんが想い人とこれからどうなっていくのか、とても気になります!

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