裏路地に、入ってはいけない。出られなくなるかも、しれないからね。

ボクシングジムへ通う途中、彼はいつもの裏路地を抜けると、見知らぬ場所に出てしまう。
そこで出会った案内人を名乗る奇妙な男が言う。

「もう、戻れないよ」




その裏路地の世界で出会う、奇妙な人々、奇っ怪な使命、鬼の存在……。
いつしか彼は、本当の自分の姿すらも失っていく。
果たして、彼は元の世界に戻れるのか。
戻ってこれたとして……それは本当に元の彼なのだろうか。
彼が裏路地の世界でみつけるのは、どんな自分なのだろう。