人外少女と特務捜査官のバディが、胃袋と感情を掴みにくるぞ!

灰が常に降り注ぐ、ある未来の街。

その街で、「ヒミコ」というドラッグ使用者を取り締まるための特務捜査官・トシヤと、その相棒である見た目は少女の「ネコ」であるミィ。

二人の心温まる交流を描きながら、その一方で、彼らはシビアな任務に直面していく。
彼らの対峙する現実がシビアであればあるほど、ちょくちょく差し込まれる食事シーンの『飯テロ』がまた、美味しそうなだけでなくほっと心を和ませてくれるのだ。それは何も高価なものばかりではない。ラーメンだったり、蕎麦だったり、クッキーだったり。でも、それら何でもない食べ物が、こんなにも美味しそうなものだったのかと気づかせてくれるのもまた、本作の魅力だろう。

そして、主役であるトシヤとミィだけでなく、彼らを取り巻く他の「ネコ」たち、捜査官たちもそれぞれに色々なものや考えや過去を抱え、それでも現実を立ち向かう姿がまた心引かれる。それは、彼らが互いを強く思い合ってる様子が、行動の端々から感じられるからかもしれない。

読み終わった後、きっと貴方は、大切な人と美味しいモノを食べに行きたくなるはず。

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