概要
『不思議の国のアリス』とともに綴る、17歳の青春ストーリー
「普通」の日常の中で、目立たない「普通」の女の子でありたい。
だから私は、空想に遊んだ幼い私も、かつて憧れた不思議の国も、すべて昔の記憶の中に捨ててきたはずだった。
そして私は今日も、上手に普通の私を演じる――それが、三枝藍の日常だった。
ある日藍はひょんなことから、独特な空気を持つ風変わりな先輩、白木誠也と再会を果たす。その出会いは、徐々に藍の平穏な日常に変化をもたらしていくのだった。
日常に染まりきれないもどかしさ。居場所のない寄る辺のなさ。
そんなほろ苦くも優しい青春を、アリスの物語とともに綴る、17歳の青春ストーリー。
<参考・引用文献>
Lewis Carroll『Alice’s Adventures in Wonderland』
だから私は、空想に遊んだ幼い私も、かつて憧れた不思議の国も、すべて昔の記憶の中に捨ててきたはずだった。
そして私は今日も、上手に普通の私を演じる――それが、三枝藍の日常だった。
ある日藍はひょんなことから、独特な空気を持つ風変わりな先輩、白木誠也と再会を果たす。その出会いは、徐々に藍の平穏な日常に変化をもたらしていくのだった。
日常に染まりきれないもどかしさ。居場所のない寄る辺のなさ。
そんなほろ苦くも優しい青春を、アリスの物語とともに綴る、17歳の青春ストーリー。
<参考・引用文献>
Lewis Carroll『Alice’s Adventures in Wonderland』
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!きっと誰にでもあるワンダーランド
皆さんご存知の「不思議の国のアリス」
不思議の国はアリスが見た夢の世界だった。
子供の頃は現実も空想も区別なく一緒に過ごしていた。
現実には存在しない世界。
けれど心の中には存在している。
そして子供でなくなってもその世界を旅することはできる。
優しいガイド役の白うさぎと一緒に。
17歳になったアリスが出かける自分探しの旅。
きっとね。
誰にでもあると思うんです。
その人、その人のワンダーランドが。
主人公の藍ちゃんに感情移入しながら自分のことも考えたくなる。
自分のココロに耳を澄ましたくなる。
そんな素敵な物語です。
秋の夜長、できれば小高い丘の上にぽっかりと浮かぶ三日月を空想…続きを読む - ★★ Very Good!!真摯で丁寧なおとぎばなしみたい!
うまくやっていっているけど、「普通」を必死に演じている藍。
「普通になりたい」と願う、それでいてどこか自分の中のアリスを捨てきれない彼女の気持ちがひしひしと感じられました。結局はそれも、自分の一部だったんですね。すごく分かるし、とても好きです。
自分を見つめ始めるのって、かなり勇気がいるんじゃないかと思います。だから、最後の藍の気持ちは、とても勇敢なものなんじゃないかと。個人的には、アリスの丘で転んだ時の、気持ちの転換(明→暗)がすごくよかった。明るい気持ちになっていたときに、ふと気づく「どうせこんなことやっても」という気持ちの、じわじわと広がる暗さがなんとも言えません。
器用で、…続きを読む