夏の夜、溶け出した液体

夏、日が落ちるのが遅い。
太陽が長く射し込んだアスファルトが熱を保ち、夜道にも汗が染み込んでいく。
主人公がコンビニで買った練乳アイス。5本入りのそれを一つつまみ......

ダメだ。本作の文章を真似してレビューを書こうとしたが、難しい。
別に真似する縛りは無いのだが、やってみたくなった。自己中な私だ。

本作。写真のように切り取った風景描写ではなく、流動的な描写。
瞬間を詳細に表現しているというのに、時間はゆっくりと繋がりを持って流れてゆく。
不思議と引き込まれていた。
親指はゆったり動き続け、気づいた時には読了。
そして、えも言われぬ感情を私の心に残した。この感覚、悪くない。
いや、私の好みだ。作品の雰囲気含め。

読みだしたら、止まらない。
このレビューを読んだあなた、さぁ、読みに行くんだ。
しかし、このレビューで本作の良さが伝えきれないのも、自明であること。
読みに行くか迷うのであれば、他の方のレビューを読んで欲しい。
私の力量不足で本作が読まれないことは、何としても避けたいのでね。

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