ひたすらに、北極星を目指せ。

突如として崩壊した日常。
昨日まで何気なく過ごしていた街が、ゾンビが蔓延る悪夢のような世界に。
あまりにも呆気なく地獄へと変貌した世界で、少年は幼なじみを救いに行く。

主人公である邦彦は戸惑いつつも着実に知識を積み上げ、技を磨く。
死臭漂う街を生き抜こうと戦う人々との出会いもまた、彼に様々な変化を与える。やがて初めは少し頼りなかった邦彦の姿は、徐々に力強いものに。

出会い、別れ、託し、託され、獲得し、喪失する。
そんな巡りの中で邦彦は『死にかけ』を倒し、幼なじみのユミを救うためひたすらに進み続ける。

流麗な文章は、これらの過程を確かな説得力を持って読者に訴えかけてくる。
丁寧に作り込まれた深みのある作品です。

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