サブウェポンはスコップで決まりだ!

まずこの作品ですね、タイトルがいいですよ、うん。
シンプルだけど凄くカッコいい。
「なぜに北極星? しかもカネサダってなによ。銀牙伝説ウ〇ード?」って、気になって仕方なかったですもん。とてもキャッチーです。
タイトルの意味が分かった時は、「おお~」ってなりました。

そして内容。あらすじの通りゾンビ物ですよ。
ゾンビ物って、書くの凄く難しいと思うんです。
だって、ゾンビが出るって最初から分かってるから、よほど超常的な要素でもない限り、ストーリーのオチもなんとなく予想がついちゃうじゃないですか。

でもこの作品、おもしろかった。
普通の中学生だった邦彦が、ある日放り込まれた非日常の中で、剣の達人のじいちゃんを始めとする人々に様々な教えを伝授されて、ただの少年から剣士……いや、生きるための戦士になっていく。その過程の書き方が見事。

ラスト付近のカネサダを振るっての戦闘描写なんて、シンプルなのに手に汗握ってしまいましたもの。もう、手汗がねっちょり!
別に魔法が付与されているわけでもなく、卍解して千本桜になったりもしない、普通の日本刀。それを振るうのです。ひたすらに振るうのです。カッコいい!

戦いの動機が、「遠くにいる幼馴染の女の子を助けるため」っていうのも、単純ながら年相応の少年らしくて、凄くいい。
二人のメッセージのやり取りなんかも、短いながらそれだけに心にくるものがあって、思わずほろっとしてしまいました。

そして、次々出てくる登場人物たちのキャラがいいです。
特にサラ姉さんなんて、「あんた、ゾンビ物に出て来ちゃだめでしょ!」っていうくらいのハッチャケっぷりで、いい意味で悲壮感をフッ飛ばしてくれました。
あと、なんといってもじいちゃん。私の人生の師匠になってほしいくらい、素敵なおじい様です。

実戦的なゾンビの対処法や、サバイバル術の描写なんかも、丁寧でとてもタメになります。この作品を読めば、いつバイオハザードが起きても大丈夫!

とりあえずまずは、ホームセンターにいってスコップを買って来ましょう!
カネサダを持っていなくても、スコップがあればなんとかなるさ!!
洞爺湖の木刀もいいけど、万能なのはスコップだ!

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